万人の気弱きときは米上がるべきの理なり。諸人気強きときは米下がるべきの種なり
万人が心に迷う米なれば、つれなき道へおもむくがよし
万人が万人ながら弱気なら、のぼるべき理をふくむ米なり
千人が千人ながら強気なら、くだるべき理をふくむ米なり
野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし
万人が万人ながら強気なら、たわけになりて米を売るべし
万人があきれはてたる値が出れば、それが高下の界(さかい)なりけり
豊年は 万人気弱く 我弱し 安きによって 売は禁制
凶年は 千人気強く 我強し 高きによって 買は禁制
弱気理 世に現れ出れば みな弱気 安きに依って はたは禁制
強変が 現れ出れば 皆強気 高きによって 買いは禁制
上がり足 短く見ゆる 米ならば 気は強くとも 買いは禁制
下がる理と 手に取るように 思えども 秋穂のうへの 売りは禁制
天性の 理は水無月(六月)に 出ると知れ 米に随い 平乗禁制
洪水と 大風吹きの 飛あがりは いつの年でも 買いは禁制
米崩れ 買い落城の 飛び下げは 気は弱くとも はたは禁制
米枯れに はた落城の 飛び上げは 気は強くとも 買いは禁制
「三猿金泉秘録」より
なかなか含蓄ありますね。