折れず曲がらず良く斬れる

折れず曲がらず良く斬れる

2008.06.09
XML
カテゴリ: 教育
 日曜日、模擬試験の報告や決算書類の作成などで帰宅は深夜になりました。

 玄関の鍵を掛けて駐車場へ歩く途中、肩の上を光が走りました。暗闇に浮かぶ一匹のホタル。近くの用水路から飛んで来たのだろうけれどここは岡山市内のど真ん中、今年まだ蛍を見てなかったので感激しました。

 「蛍になって帰って来る」そう言い残して昭和20年6月6日に鹿児島県の知覧飛行場から出撃し、帰らぬ人となった宮川三郎軍曹(二十歳)を思い出しました。


 ホタルになった特攻隊員(宮川三郎軍曹)

 宮川軍曹は新潟県出身。長岡工業学校卒業後、一旦は民間会社に就職したが大空への夢絶ちがたく、仙台航空機乗員養成所に入り、パイロットになった。その後、特攻に志願した。5月に一度出撃して、飛行機の不調で帰還。戦友と共に散華できなかったことに悩み、とめさんにその気持ちを打ち明ける手紙を書いていた。
  「先輩、同期生がつぎつぎと散華し、自分たちばかり残るというのは、心苦しいことです。この心は、わかっていただけると思います。だが、決して死を早まらんつもりです。任務を完遂するまでは、断じてやります。ご安心ください。」
  その後、6月6日に再度出撃し、還らぬ人となった。とめさんが宮川軍曹についてかたっているので引用する。

 宮川さんが知覧に来られたのは20年5月の終わりごろと思います。雪国の人らしく色白でハンサムな方でした。前に、万世飛行場から一度、出撃したのですが、機体の故障で引き返して、一人だけ残ったのを大変気にしておられましてね。ようやく代わりの飛行機がもらえ、出撃する前夜の6月5日一緒に隊を組む仲よしの滝本恵之助曹長と二人で私の食堂に来られました。宮川さんは[あした出撃だ]とごきげんでした。帰りがけに「おばさん、あしたも帰ってくるよ。ホタルになって滝本と二匹でね。追っ払ったらだめだよ」と冗談のようにいわれました。食堂にくるとき、どこかでホタルでも見かけたのだろうと、そのときは気にもとめていませんでした。
  翌6日はどんより曇った日でした。この日は総攻撃の日で、朝から特攻機がどんどん飛び立ちました。夜になって、出撃したはずの滝本さんが一人でひょっこり食堂にやってきました。「宮川は開聞岳の向こうに飛んで行ったよ」といってぽろぽろ涙をこぼしました。視界が悪いため、宮川機に何度も引き返そうと翼で合図を送ったが、「お前だけ帰れ」といってそのまま飛んで行かれたそうです。


(以下略)

(「空のかなたに」葦書房より引用)

2923065645.jpg











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.06.12 18:24:55
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: