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ラインケ狐の日記 ラインケ狐さん
2026.06.06
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カテゴリ: ライトノベル



「あの梅の木は」    第15話



翌日、裕也たちが『ブルース』に着いたのは午後 5:45 。予定通り。

二人とも息を切らせていた。


「急がなくてもいいって言ったのに・・・まあ、とにかく座って」


マスターは店のドアをロックして、カウンターの中に入り自分の

目の前に座るように二人を促がした。


「咽が渇いたでしょ、そんなに急いで・・何か飲む?」

「え、そんな店休日なのに悪いです」

「いや、君たちがそうやって息を切らせたままだと、ぼくの方が

落ち着かないから」


「そうですか、じゃあぼくはコーラを」

「私も同じものお願いします」

「うん、わかった直ぐに用意するから待ってて」


「すいません」これは二人同時。


「ところでさあ・・・」

マスターがコーラを用意しながら、裕也に尋ねる。

「裕也君は昨日言ったよね、『あんな異常な経験は初めて』って」

「はい、そう言いました」


マスターは二人の前にコーラを置いた。


「すいません、いただきます・・いただきますって言っちゃいました

けど・・・」

「いいよいいよ、今日はお客さんじゃないんだから」


「すいません、じゃあ頂きます」

「頂きます、すいません」


マスターはマイ焙煎の珈琲を一口すすると・・・


「あれから気になってることがある。昨日の話は君たちが高校生の

頃のことだよね、なのにどうして今になって気になりだしたのか?

例の『あの梅の木は』の一件まで、間が空いちゃってるよね?」


「やっぱりそう思いますよね・・・『あんな異常な経験は初めて』

そう感じたのは確かなんですが、あとになってあんな突拍子もない

こと・・・あれは自分の勘違い、もしかしたら白昼夢だったのかも

知れない、そう考えるようになって・・・


それにあの後ああいったことは起きなくて、あれから高3になり、

大学の4年間、就職して約2年、ですからあれから7年も過ぎて、

忘れかけてた頃に・・

一つおかしな事があり、そして今度の梅の木の件があって、また

あのすれ違い事件が、ぼくの中でフラッシュバックしたんです」


「フラッシュバック・・なるほど、そのくらい強い心的ストレスが

くすぶっていてもおかしくない、強烈な出来事だったよね・・で、

その久しぶりのおかしな事というのは?」


コーラをほぼ飲み干してから、裕也は滝沢精肉店の『ハンバーグ』

の話を語り始めた。彼の記憶では、家族全員が大好きだった滝沢

精肉店の『ハンバーグ』のことを思い出した裕也が、

久しぶりに食べてみたいと言い出したところ、家族全員が『それ、

なに?知らない』という。


そんな馬鹿な、と裕也が滝沢精肉店に行って注文すると、店の誰

もが知らないと言う。


「『狐につままれたよう』って言うんでしょうね、あの時のぼく

の精神状態は」


なるほど、それはフラッシュバックするわけだ。それを聞いて

『不気味な遭遇』と『あの梅の木は』の間が7年も開いた訳が分か

ったよ


(ちゃんと聞いてもらえた!)


マスターの言葉に安堵した裕也は、深く息を吐きながらカウンター

に肘をついた。


「少しは落ちつけたみたいだね?」

「はい、話を聞いて頂けただけでなんかこう、すっきりしたような」


そこへ香織が


「裕也、もうひとつ忘れてない?・・・」


と言い、裕也はハッとして香織を見た。








いつも有難うございます。

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最終更新日  2026.06.06 16:58:06
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Re:「あの梅の木は」  第15話(06/06)  
いつもコメントありがとうございます。


いつもながら、確かな筆はこびですね。

応援P☆
「いいね」完了です。
(2026.06.06 21:36:48)

Re[1]:「あの梅の木は」  第15話(06/06)  
MoMo太郎009さんへ

こんばんは。
いつもコメント、応援、そしていいね♪
を有難うございます。

過分なお褒めを頂き、有難うございます。
意欲が湧く嬉しさです(^^♪

応援、いいね♪完了です。



(2026.06.06 22:39:40)

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