★Latin Dance Night★

★Latin Dance Night★

2004.10.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
去年の秋から、マンツーマンで英会話を習っている。
マンツーマンといっても、真面目なお勉強ではない。
不規則な会社の勤務と両立できるところを探していたら、
マンツーマン専門のとあるスクールが見つかり、
そこに1年ぐらい通うことにした。

「ボートに乗った男性講師と日本人女性」のモノクロ広告で
おなじみのところ、
といえば、スクール名がわかるかもしれない。

肝心の英語力は、いつまでたっても趣味のレベル。

快感な自分にとって、英会話スクールは、
リラックスサロンのような感覚でストレス発散できる場所。
・・・というのは、不勉強な自分への言い訳なんだけど。

スクールの方針なのか、人件費節減のためなのかはわからないが、
私が通っているところには、いろんな国籍の英語教師が
入り乱れている。
彼らの出身地をたどっていくだけで、
世界のすべての大陸を制覇できてしまいそうなほど、
国籍がバラエティーに富んでいるのだ。

今までの1年間で話したことのある講師たちの出身地は、
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、

アイルランド、ドイツ、南アフリカ、インド、香港、
シンガポール、フィリピン、ケニアなど。
しかも、外国育ちの日本人、なんていう変化球の
講師までいるので、見かけだけでは
まったく何人か言い当てることができない。


もしくは英語で仕事を経験したことがある人材なので、
それはそれは見事な英語を話す。(英語スクールだから当たり前か)

「英語は世界の共通語」という大言語至上主義の主張には
個人的には、あまり賛成できないけれど、
英語を介して、かなりいろんな国の人たちと
話ができるのは、やはり歴然とした現実であり、
英語学習のいちばんのメリットでもある。

ひとからげに英語、といっても、
講師によって訛りがあったりするのがまた面白い。
教科書そっちのけで、講師の生い立ちや体験談、
お国自慢の話に脱線するのも楽しい。

テキスト教材は、スクールが用意してくれたものもあるが、
内容が真面目すぎてつまらないので、
このごろなるべく自分で何か持っていく。
興味の涌いた本や、子どもの絵本の英語版、
ウェブサイトの情報、
見たことのある映画やオペラの評論、CDの歌詞カードなど。
堅物で大人しそうなイギリス人の男性に、英語のマザーグースを
何曲も歌ってもらい、
「すごく恥ずかしい。こんな恥ずかしい思いをした
 レッスンは初めてだ」と言われたこともある。

そろそろコースの消化期限が近づいてきているので、
サボっていた分の挽回を図るべく、
連続で2コマのレッスンを予約することにした。

「すみません、今日、どんな先生に当たりますか?」
受付カウンターの女性に質問してみる。
私は講師の指名料を払っていないので、どの先生に当たるのか
当日にならないとわからない。

「・・・えっと、1コマ目が香港出身の女性。2コマ目は、
 日系メキシコ人の男性よ。あなたの好きなメキシコ。
 あっ、でも、彼にはスペイン語で、話さないようにね。ふふふ。
 ここは英会話スクールだからね」

カウンターに座っていたマネージャー女性、
オルガがニヤニヤ笑って言う。
そういう彼女自身、いつも私にスペイン語で話しかけてくる。
彼女の出身地は、中米グァテマラ。
父親がドイツ人、母親がグアテマラ人という
珍しい組み合わせのハーフで、
元々、ドイツ語とスペイン語のバイリンガル。
アメリカの大学を卒業してフロリダで働いていたので、
アメリカ英語をパーフェクトに話す。
日本人の彼氏がいるらしく、日本語も必死で勉強中なんだとか。
彼女のような人は、一体、何語で夢を見るのだろう。

いつも明るくて勢いのあるオルガ嬢の隣には、
ブルーのアイシャドウがはえる美人スタッフ、
林さんが、ちょこんと座っている。
最初は、「はやし」さんなのかと思ったら、
なんと「リン」さん、という、台湾人なのだった。

「私、10歳まで家族でブラジルに住んでたんですよ。
 母は台湾人と日本人のハーフで、母とは日本語で
 話してます。父親は100%台湾人で、
 ポルトガル語、北京語で話してますね。でも
 私、まだ台湾に行ったことがないんですよ~!」

まったく、本当に不思議な英会話スクールだ。

・・・レッスン開始のチャイムが鳴った。
1コマ目の講師、ジョリーは、中国大陸は広州の生まれ、
香港育ちの20代女性。
漢字の筆談交じりで中国の歴史を、英語でレクチャーして
もらっているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまった。
香港人の英語は、非常に早口だが、発音が何となく
日本人の英語に似ていて聞き取りやすい。

・・・2コマ目開始のチャイムが鳴り、
あわてて別のブースに移る。
初めて当たる日系メキシコ人講師と、握手をかわした。
「タカユキ」と名乗る、その男性は、
父親が日系メキシコ人、母親がメキシコ人という組み合わせだという。

彼の顔を見た瞬間、
私は、しばし見とれたまま立ちつくしてしまった。

・・・・顔が、エルネストにそっくりなのである。

褐色の肌に、彫りの深い、かといってそれほど濃くない目鼻立ち、
黒々とした眉毛とまつげ、小さな顔にとがったあご、
おサルさんのように突き出た耳、
声の出し方、表情を変えるときの眉の動き、シャイな笑顔・・・。

単なる他人のそら似とはいえ、
私は心臓が口から飛び出そうなぐらい緊張し、
喋っているうちに、すっかり落ちつきを失った。

マネージャー・オルガ嬢との約束を破り、
つい彼に、片言のスペイン語で話しかけてしまった。
「あの、私、メキシコとかスペイン語も興味あります。
特に料理とか古代文明の遺跡が好きです・・・」

すると、とたんに彼の表情が安堵の色に変わった。

「ホントー? それはうれしいな。
 このスクールで、メキシコのことを話題にしてくれた人は
 君が初めてだからうれしいよ。
 なんたって、メキシコはアメリカの一部だと
 思ってる人もいたぐらいなんだから・・・」

私が英語で頻繁にミスをするので、
そのたびに、彼が、文法や単語の指摘を
さらさらとメモに書いてくれる。
そのメモの筆跡が、また不気味なほど
エルネストにそっくりなのである!

・・・・ああ、なんで? なんでなの?
きっと、単なる他人のそら似、偶然の一致だろうな。
プラス、自分の勝手な思いこみ。

他人のそら似というだけで、こんなにドキドキするなんて
ホントにバカだ、と思いつつ、胸は高揚。
その日は一日中、浮ついた気分ですごした。

偶然の女神は、思いがけないタイミングで
サプライズをくれるものである。

彼に会いに、またスクールに行かなくちゃ。

~つづく~





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Last updated  2004.11.02 10:13:26
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ケイコ@ Re:<第1話>Latin Dance Night(02/01) ラテンの曲が好きで、スペイン語をもっと…
Mine@ Re:<第86話>キューバの日本語クラスに潜入(06/17) こんにちは。この夏にキューバへ一人旅し…
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