助産婦メモルの日常~Happy Birthな毎日~
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ちょっと前のニュースなんですが、とある記事をネット上で見つけました。「死産の胎児のうち、男児の占める割合が、妊娠初期の12~15週では女児の10倍を超え、妊娠全期間でも2倍以上に達していることが、4大学の研究グループの調査で分かった。死産に男児が多いのは従来、知られていたが、妊娠初期の極端な偏りが判明したのは初めて。」理由は環境ホルモンの影響?とか、いろいろ言われてるようですが、この記事に対してメモルは思います。妊娠12~15週くらいの赤ちゃんの性別を判断するのは非常に難しいんですよね。生殖隆起と言うんでしたっけ、男の子の陰茎と女の子の陰核、ちょうどこの頃は男女ともに外陰部が盛り上がってきて、ゴマツブくらいの大きさのチョンって感じの盛り上がりがある時期なので、目で見ての性別判断はアテにならないんですよね。みんな男の子のように見えることもあるんです。理論上は12、3週くらいでは外性器は完成しているんですが、実際には見た目では分からないこともあるんです。実際のところは解剖をして精巣や卵巣・子宮・膣の確認をするか、染色体検査をしないと性別は分かりません。死産後解剖を断る方は多いですし、この調査はどういった形で性別判断をしたか分かりません。もうちょっと週数を重ねれば、男の子は睾丸ができてきますし、女の子は陰唇ができてくるので、性別判断が可能です。実はメモルも12~15週くらいの赤ちゃんの外陰部が男女共に同じように見えることがあるということは助産婦2年目まで知りませんでした。それを知った時はかなりショックを受けました。だって、メモルが死産に立ち会って、「男の子」と判断した赤ちゃんは実は女の子だったかもしれないんですから。「あ、おちんちんついてる。男の子。」と判断してました。「違うよー。女の子だよー。」と赤ちゃんは言ってたかもしれません。「男の子でした。」と伝えられ、パパもママも当然男の子だったんだ、と思ってることでしょう。「違うよー。女の子だよー。」 そう言って、赤ちゃんは泣いてるんじゃなかろうかと思い、ずいぶん思い悩みました。埋葬もすんで、その赤ちゃんの性別を知る術はもうないんですから。本当に「男の子」だったのかもしれないし・・・、でも「女の子」だったのかもしれない・・・。今でもこの時期の死産に立ち会った時には、性別判断に悩みます。明らかに「男の子」「女の子」と判別ができる時もありますが、分からない時も確かにあるんです。医師と一緒に確認したりもしますが、「分からない」か「男の子」という判断になっちゃうんですよね。「性別不明」とするべきなのか、見たまま「男の子」とすべきなのか・・・。パパやママの気持ちを考えると、「分かりません。」というよりは「男の子でした。」と伝える方がいいんだろうか?今後、その赤ちゃんの性別を知る術はないんです。だったら、パパやママが疑うことなく「男の子」と信じていれば、何ら問題はないんだろうか??医師や助産師ですら悩むところなので、実際にパパやママに赤ちゃんに会ってもらっても、絶対に「男の子」と思うはずなんです。この話を日記に残しておくのも、ちょっと悩みました。もしもこの時期に死産をされ、男の子と聞いている方は、「え?女の子だったかもしれないの?!」と思い、余計に悩むことになるかもしれません。でも「男の子」と聞いているなら、「男の子」なんです。もちろん「女の子」と聞いているなら、「女の子」です。毎回絶対性別が判断できないということはありません。明らかに判断できることもあります。それより何より、パパとママが信じてることが大切なのでは、とメモルは思っています。
2004年12月11日
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