料理研究家・宮成なみの【 夢叶 】~胸に希望を 台所から愛を~

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2007年06月19日
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カテゴリ: なみちん入院記





一番可愛がってくれた補助看さんが、目を少し赤くして言ってくれました。


『寂しくなるけど、もう、ここに戻ってきちゃだめよ。
ここに来るときは差し入れ持って遊びにくるときよ。』

って何度も何度も言ってくれました。

退院の日は土曜日で、
透析が終わった後、そのまま退院することになりました。

旦那様は無理をしてずっとずっとお見舞いにきてくれいてたから、
夕方くらいにゆっくり来てくれたら大丈夫だよ、と言っていたけれど、


私が透析室に戻るより先に病室に来て、
補助看と一緒に荷物をまとめてくれていました。


一人黙々と荷物を詰める旦那に

嫁が退院できてうれしい?
ひとりのおうちは寂しかった?

と聞いたけれど、
なに馬鹿なことをいってるんだ、といわんばかりの顔をして
すたすたと荷物をもって先にいってしまいました。


入院してきたときに履いてきてジーパンは、
ウェストがきついくらいだったのに、
今では握りこぶしが二つはいるくらい、


ちょうど一ヶ月の入院で体重は12キロ落ち、
まだ、心臓に残っている分の水については、
ゆっくり時間をかけて抜いていくしかない、と言われました。



13年前のスタートもここからだったよな。

生きていけるのかさえ先が見えなくて。


普通に恋をして、
普通に結婚して、
普通に家庭を持つことが夢だった。

それさえも私には本当に叶うのかどうかわからない
果てしなく遠く感じる夢だった。

父にのしかかった莫大な医療費と
母が追われた私の看病。

自分の身体を守るために、
ささやかな夢をかなえるために、
わたしにできる
生きていく道。
それがお料理研究家だと思ったんだ。


補助看さんと、お世話になった先生と、
ナースセンターにいた看護婦さんたちに、
ありがとうございました、とお礼をいいに行って

買ったばかりの新しい服に着替えました。

お化粧をして、
かばんを持って

よし、と気合を入れて、
病室の扉をあけました。

たった一ヶ月しかいなかったのに、
ニット1枚では外の空気は冷たくて、
久しぶりに履いたブーツがなんだかくすぐったく感じました。

この1ヵ月は長かったような
短かったような。
けれど、私のなかでとても大きな転機となる1ヵ月になりました。

古びた病棟を振り返り見つめていると
旦那が早くしろよと呼んでるのが聞こえました。


いつもここから。


いつでもこの古い病棟の
白い白い古びたあの扉は、
私にとって
未来に続く夢の扉なのかもしれない。

新しい夢に向かうスタートの扉。
開けば夢が待っている。


さぁ。
気合をいれていこう。
体験したことのない新しい日々が今から始まるぞ。







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最終更新日  2007年07月26日 18時50分04秒
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