Sky in Australia

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世界で一番幸せな場所



出産直後はまだまだ余裕がありませんでしたが、この授乳室で初めてちゃんと我が子を抱きました。まだ出会ったばっかりで、よく見ないと他の子と見間違えてしまいそうな我が子。なのに、この子を、大事な我が子を自分の腕に抱いた時の、何とも表しがたい幸福感は何でしょう。

今までの苦しみで最悪な状態、つまりグラフの一番下から、一気に針が振り切れるほど幸せな気持ちが押し寄せてきます。本当にまるで天にも昇るような気持ちです。そして、地中からジェット噴射で宇宙まで泉が吹き上げるように、ものすごい勢いで今出会ったばかりの我が子への愛情がが湧き出てくるのです。そして、この我が子を愛しいと思う気持ちが、止まらないのです。いくらでも次から次に泉が吹き上がるように。そして涙が溢れてきました。

あぁ、本当に、やっと会えた。あなたに会えた、、、。長く辛い道のりにやっと終わりが来たんだ、、、。

よく、自分の子供を産んだ時、”この子に会うために生れてきた気がする”と言いますが、それは本当なのだと確信しました。

私はこの子に会うために私はこの世に生れて来たんだ、、、。

陳腐な台詞かもしれませんが、心の底からそう思えました。独身の頃、子供も好きではないし、もっと自分のやりたいことをやれる人生の方がかっこよく思えたこともありました。だけど、実は、こういう事だったんですね。自分の欲とかエゴとか、そういうものとは全く関係なしに、こうして私の祖母が、そして私の母が、命をつないで子供を産み育て来たように、私もこうして子供を産み、育てていく、、、。

自分をこんなに小さな物に見せてくれる、こんなに小さな小さな命。その命を授かって、こうして我が胸に抱くことが出来る幸せ。目に見えない何かに感謝をする気持ちで一杯になりました。そして、

今、この瞬間、世界で一番幸せなのはこの私だ

と確信した瞬間でした。そして周りを見渡すと、みんな同じ気持ちで我が子を抱いている。早朝の授乳室で窓から降り注ぐやわらかな朝の光に照らされて、お母さん達は、みんな本当に美しかった。みんな私と全く同じように有り余る幸せを噛み締めているようでした。

そうか、ここは世界で一番幸せな場所なんだ

と、そう確信したのです。

今の世の中嫌な事件やニュースで溢れています。でも、この最高の幸せのエネルギーを持ってしたら、何でも可能なような気がしました。世の中にこんな素晴らしい場所があるんだと、この時初めて知りました。



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