絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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2006年02月01日
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カテゴリ: 内緒の話
階下のチャイ屋で働いていたトルコ人男性が帰ってきた。

乳飲み子と妻と犬を捨てて、誰にも何もいわずに行方不明だった。

詳しくは本人もいやだろうから、聞かないで、ただただ「お帰り!」って言っただけだけど、今となっては誰が悪いのか、どうして逃げたのか、本人以外にはわからないことだろう。

勤めていたチャイ屋の景気が悪くなり、仕事がなくなり、収入の道が途絶え、考えた末、夜に未許可のまま屋台で魚のサンドイッチを作って売っていた。
許可をとらないから暗くならないと仕事ができない。
家にお金を持って帰らないと、子供もミルクを飲ませることもできない・・・だから仕方がないんだ・・・と言っていた。

彼、Vくんはまだ若いけど、妻子持ち。
ただ近い人の話だと、子供ができてしまい、まだ結婚の準備が年齢的にも経済的にも精神的にもできていなかったが、結婚から逃げられなかった。


奥さん、奥さんの家族、友人たちも探したようだが、いっさい音信不通。
噂でイスタンブルへ逃げたということだった。
彼の後ろをうしろをついて歩くネズミほどの大きさの犬も、彼に捨て去られ、寂しい思いをしていた。

彼が戻る前日、人が通るだけでふるえる、気の弱いこのワンちゃんがあまりにもかわいそうで、家に連れて帰って面倒みる決意をしたところだった。

なんにせよ、飼い主が戻り、ワンちゃんはうれしさのあまり、気が狂わんばかりに彼のそばから離れない。

3か月行方知れずだったVくんも、まるで何もなかったかのように、ここにいる。「いやあ、アンタルヤが暖かいって聞いたもんだから・・・・」などと言いながら。

ハムディおじちゃんは言う。
「彼が弱かったことはもちろんだけど、彼だけが悪かったのか、奥さんもしくは家族が彼を追い込んだのか、理由は他人にはわからないし、誰が悪いとも言えない」

そりゃそうだ。
妻子を捨てて、音信普通・・・となれば、他人は彼を極悪人だと言うだろう。でも事情は誰にもわからない。

ただ、ちょっと問題が起きると、もしくは嫌なことがあると、逃げてしまうというのはこの国で少なくない現象だと思う。もちろん、お国を問わずあることなんだけど、あまりにも簡単なことでも、簡単に行方をくらまし、ほとぼりが冷めたころに、全く何もなかったかのようにしれっと現れる。

(私は最近もこれを経験済みだもんで、つい強調してしまう)
この精神的な弱さと自己中心的な部分って、前々から気になることのひとつ。

で、家族としては行方不明で生死もわからず心配していた亭主が戻ってきたから、怒るどころか、それだけでもいい、って喜ぶわけだよね。
Vくんもそれを感じるから、しばらくは働かず甘えていられるわけだよね。
この結果を見越して、行方をくらませるわけだ・・・。





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Last updated  2006年02月02日 01時15分54秒
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