一筋の光　～リリーの告白～

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2012.12.21

昨日は福岡市内にて母猫とその子猫の捕獲に行きました。

急な呼びかけにもかかわらず駆けつけてくださった皆様、
また「人手が足りなければ行きますので、連絡ください」と言ってくださった皆様、
そして陰ながら応援してくださった皆様、ありがとうございました。

子猫は４匹確認、その内の３匹は保護する事が出来ました。
写真の通り、３匹とも風邪で涙も鼻水も酷いですが、ご飯はよく食べているので
これからケアして行けば美猫になってくれると思います。
落ち着くまでは、私の事務所に隔離して様子を見ようと思います。

赤坂猫-2.JPG

優先して最初に捕獲したかった母猫は、子猫たちがいたため
警戒してなかなか入ってくれず、結局先に入ってしまった子猫と、
別の未手術の成猫を捕獲しました。

母猫と一緒に逃げたあと１匹の子猫も母猫の捕獲のリベンジの時に
なんとか保護出来ればと思います。

実は今回の捕獲に至るまでの裏話があります。

今回ターゲットとなった母猫さんは、今年の９月に一般の方から
「手術をしたいけどどうしても捕まらない子がいる」と相談があり
私が捕獲器を持ってその猫の捕獲に行きました。

その猫は警戒心が強くて、少々時間はかかりましたが
何とか捕獲することは出来て、依頼者の餌やりさんは大変喜ばれていました。

実際に捕獲器に入る時にその猫をみたら、今にも生まれそうにお腹が大きい

翌日、私が捕獲した子を病院へに連れて行く約束でしたが
私はそのお腹を見てどうしても・・・
どうしても堕胎することが出来ないと思いました。

でも、今は私の家はキャパがいっぱい（３ＬＤＫマンション）で

捕獲した時間がお昼間だったらどこかに連絡して生ませてあげられるスペースを
確保できたかもしれませんが、その時はもう２３時過ぎていました。

依頼者の餌やりさんには子の場所で１匹も増やしたくないので
「せっかく捕まったのにこのままリリースする」という選択肢はありませんでした。

これまでお世話をして来られたのも、手術費用を負担するのも餌やりさんです。
私には
「絶対堕胎はしません！生まれてから子猫を保護して母猫を手術しましょう！」
なんて、無責任なことは言えませんでした。

「子猫を全部保護出来るか？」
「子猫に感染症や障害があったら？」
「里親さんがみつからなかったら？」
「私が全て責任は取れるのか？」
「お腹の中にいるなら、殺してもいいの？」

いろんな事が頭をよぎりました。

でもでも・・・涙があふれて来て止まりませんでした。

「すみません、涙は気にしないでください。
私が決められることじゃないので、貴方の判断にお任せします。
ただ、病院に連れて行くことはやっぱり私には出来ません。
代わりに連れて行ってくださる方はいませんか？」
と、逃げの言葉を発してしまいました。

餌やりさんは、かなり困惑され、答えを出しかねてらっしゃいましたが

「堕胎について、私は何も考えていませんでした。
ただこれ以上生まれて来ないようにしなければ、という思いだけでした。
でもリリーさんの考えを聞いて、今回はリリースしようと思います。」

とおっしゃいました。

私は自分が情けないやら餌やりさんに申し訳ないやらで、
今回の捕獲は何としても成功させなければ！
そして、必ず子猫は１匹残らず幸せにする！
という思いで一杯だったんです。

頭ではわかっているんですよ。
「これ以上増やさないためには生ませられない」って。

私の娘と息子は４歳４ヶ月の歳の差があります。
２３歳の時に娘を生んだ後、２回の流産をしてしまいました。
３回目の妊娠がわかってから、やっぱりまた流産になりそうでしたが
今回はどうしても生みたくて、お薬を使ってなんとか流産を止めてもらって
無事に息子を生む事が出来ました。

息子は小学校まではしょっちゅう熱を出す子でした。
生後３ヶ月から保育園に預けて私は仕事をしていたので
保育園から週に１～２回「熱を出した」と連絡があり
その度に早退させてもらっていたので
その時の職場にはとてもご迷惑をおかけしたと思います。

そして、中学・高校といろいろ問題を起こすし
専門学校はあともう少しで卒業と言うところで単位が足りずに退学。

２２歳なった今でも無免許で車を運転して事故を起こしたり
４ヶ月も連絡がつかなくなったり、定職にも就けない・・・

こんなんで、未だに心配ばかりかけているどうしようもない息子ですが
やっぱり生んで良かったとしか思えません。

昨日保護した子猫たちも、あと１匹残っている子猫も
あの時手術していたら、ここにいなかった子です。
それが良かったか悪かったか、そんなことはどうでもいい。

生まれて良かったね

子猫たちの近況はまたご報告します

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