楽しい南の島

豚吉、恋に落ちる。

『豚吉、恋に落ちる。』

深夜まで続いた騒音と果てしないトッケーの鳴き声からようやく開放され
明け方になってから、眠りについたまどちゃんと私。

「朝はゆっくり寝ていようね。」
と話し合っていた。
それでなくっちゃ身体が持たないよ。

ああ、それなのに、
ドン! ドンドンドン!
突如、壁を叩く音が響き渡り、
「すらまっとぱぎ~~~!!!」
と叫び声が。

ビックリして飛び起きる。

ドン! ドン!
「朝ですよ~~!」
勘弁してよ~。豚吉だ………。

「すらまっとぱぎ~~~!」

ナンなの。このハイテンションは。
ハワイの時とは別人じゃん。

ぐったりとしている私達に、壁の向こう側から
「朝ご飯食べに行こうよ!」
叫ぶ豚吉。

「わかったよ。今着替えるから待っててよ。」
もう寝ていられないや。
起きて、用意をして、となりの部屋へ行った。

「おはよー! おはよー! すらまっとぱぎー!!」

「ねぇ、あきちゃん。豚吉ずーーっとこうな訳?」
「うん。そうなの。私も起された。」
あきちゃんも眠そうだ。

泊まっているホテルにはレストランが無い。
歩いて近所のお店まで。
食堂といった感じのお店だった。
でも、近いし、朝ご飯なんだし、ここにしようね。

パンにタマゴとハム、ジュースにミルク。
普通の朝ご飯を食べていると、若い男の子がやってきた。

「どこから来たの?」
「誰が一番若いの?」
などなど、他愛も無いお喋りをしに来たようだった。

みんなは適当に返事をしたり、相槌を打ちながら食事をしていた。
ところがどうも豚吉の様子が変だ。
ニコニコしながらもちょっと恥ずかしそう。
これは、ヤバイかも。

豚吉は惚れっぽい。しかも何故か飲食関係に弱い。

こりゃ困ったな~。
みんなはまだ気が付いてないみたい。
どうなる? この恋!

ミチュアミ。ミチュアミ。

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: