ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2011.04.10
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カテゴリ: 書評


書 名=世界は分けてもわからない
発行所=講談社、講談社現代新書2000
発行年=2009.7
評 価=★★★★☆



【送料無料】世界は分けてもわからない


名著「 生物と無生物のあいだ 」や「 できそこないの男たち 」の作者による著作である。著者は、本職は分子生物学者なんだろうが、本当は恐らく作家、特に本格的な教養と医学的知識を身に付けた一般向けのサイエンスライターを志しているのであろう。そんな作者の気概が、文章構成や文体に随所で見受けられる、挑戦的かつ実験的な作品である。

一見脈絡のない個人的な体験やその場所で感じた思い・筆者の主張を章ごとに紡いでいく文章構成方法は、既にサイエンスライターあるいはエッセイスト大家である故スティーヴン・ジェイ・グールドやリチャード・フォーティと似通った手法である。もちろん、その域に達するのは幾多もの困難があるとは思うが、売れたら駄作でも何でも良いと考えている勝間和代のような著者とは全く違って、応援したくなる気持になる。



ただ、本当に表題が「世界は分けてもわからない」が最適なのかは疑問だ。筆者は、複雑なメカニズムは因果関係も複雑なので単純に構成要素に分けても分からないとの主張だが、さりとてではどうすればよいのかの答えはない。複雑な現象を構成要素に分けることそして因果関係を追及する手法をとることは、自然科学でも人文系学問でもどのような学問でも共通である。例えば、経済学の市場メカニズムでも、経営学の企業戦略でもそうだ。自然科学では、宇宙物理もそうであるし、理学・医学・工学でも同様だ。だた、「雲の発生メカニズム」や「意識するという脳のメカニズム」、「地震発生メカニズム」がよく分からないといって、分けてもわからないというあきらめや思考の中断の気持ちに近い感覚を持つ科学者はいないのではないだろうか。広く識者にも共感を呼ぶ意味でも、もう少し進めて表題を考えて欲しかった。







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Last updated  2011.04.10 13:51:38 コメントを書く
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