ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2011.07.03
XML
カテゴリ: 書評
著 者=堤 未果(つつみ・みか)
書 名=ルポ 貧困大国アメリカ2
発行所=岩波書店 岩波新書1225
発行年=2010.1
評 価=★★★☆☆



【送料無料】ルポ貧困大国アメリカ(2)


前作「 ルポ貧困大国アメリカ 」は、斬新かつ刺激的・衝撃的な名作であった。今回も、前作と同様あるいはそれ以上に焦点を絞り、貧困大国としてのアメリカの実情を指し示している。具体的には、公教育の高騰が教育ローンによる若年層の貧困を加速していること、年金制度の未整備が高齢層の貧困を加速していること、医療保険制度の未整備がアメリカ国民全体を蝕んでいること、刑務所の受刑者が低賃金労働力市場となっていること、この4つの実態をインタビューも交え分かり易く、アメリカの貧困の現実を述べている。

ただ残念なことは前作と同じ貧困がテーマであることから、読者として受けるインパクトが弱い上に、発想の出所も実はドキュメンタリー分野で著名なマイケル・ムーア監督の「シッコ」(2007)から医療問題を、「キャピタリズム:マネーは踊る」(2009)から公教育問題・年金問題・刑務所問題を切り取っていることが見透かされ、少々興ざめだ。逆に言うと、本書を読むことより本家本元のドキュメンタリー映画「シッコ」や、「キャピタリズム:マネーは踊る」の方が断然面白いし、この映画(DVD)を見た方がよほどインパクトが大きい。本書で最も言いたかったこと「幻想の恐怖が原動力となって、企業が個人の消費意欲(引いては負債)を加速させること」も、もう少し上手にマイケル・ムーアは既に述べてしまっており、二番煎じも甚だしい。

きっと出版社から貧困アメリカ第2弾をせっつかれて、手元にあったアンチョコからちょこちょこっと深掘りをして仕上げてしまったんだろう。注目していた筆者なだけに、少し残念だ。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.07.03 14:14:34
コメント(0) | コメントを書く
[書評] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: