レムリアからの転生旅行者

レムリアからの転生旅行者

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

神坂俊一郎

神坂俊一郎

Freepage List

Jun 14, 2023
XML
テーマ: 前世の記憶(7)
カテゴリ: サヴァン症候群
神坂夫婦のお話、続きです。

「3年生の時に戻ると、摩耶美紀子さんとも巡り合った。」
美紀子さん、夫が自分よりも上と言うぐらい凄い頭脳の持ち主だったのです。
「美紀子さん、あなたとならお似合いだったんじゃないの。」
美奈子は、自分よりはお嬢様の彼女の方がお似合いだと思っていました。
「いや、良家のお嬢様の彼女とは釣り合いとれないよ。」
「あなたって、変な両親さえいなければ、私とは絶対釣り合いの取れない良家のご令息だったのに。」
確かにそうですが、現実はそうではなかったわけで、一郎は否定しました。

夫はそう言いますが、私が唯一絶対のソウルメイトって、彼にしかわかりません。
「はいはい。そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど、あなたにしかわからないことよ。でも、美紀子さんだって、変わったソウルメイトだったんでしょう。」
夫から、彼女もソウルメイトと聞いた覚えがありました。
「そうだな。ツインソウルと言って、魂の上での双子だった。だから、お似合いというよりは、合わせ鏡のような存在だったかな。」
夫のような女性が居るとは到底信じられませんが、彼が言うのだからその通りだったのでしょう。
「なぜ、付き合わなかったの。」
「いや、大学3年生の時と卒業後にちょっとだけ付き合ったよ。」
彼と美紀子さんには、大学3年生の冬2か月と、卒業後半年間と、そのまた18年後の3回接点があったのです。
「でも、なーんにもなしだったのよね。私としてはラッキーだったけど。」
彼女と結ばれていれば、当然私と結婚していないし、巡り合ってもいなかったはずです。
「彼女について、興味深いと言うか、変わった人だなと思ったのは、その3年生の冬に、酔っ払った彼女に抱きつかれたことがあったんだ。その時、彼女が何て言ったと思う。」

「あなた以上の天才の言うことなんて、凡人の私にわかるわけないじゃん。」
「そうだよな。」
「何て言ったの。」
「「あなたに抱きついたら快感だった。相性はいいと思うわ。」だって。」
夫に輪をかけたサヴァンだけのことはあります。

「単純に、抱きついたら自分はどんな気分になるか、実験してみただけだと思う。」
同じサヴァンの彼ならそういう解釈ができるだろうが、普通の男だったら抱きつかれたら迫られたととるだろうし、まして、快感で相性がいいと思うとまで言われたら、付き合って欲しいと言われたようなものと解釈するのが普通です。
「私だったら、大学2年生の時にあなたに迫った二人と同じ意味になるんだけど。」
「サヴァンの美紀子さんは、こう言う考えだったのであって、普通の人間とは大分違う。それだけだな。」
「サヴァンのあなたにしか理解できないわ。」
「だから、彼女の意図は違っていた。それだけだ。」
「そこまで理解できたあなただったから、キスもしなかったのよね。」
「唇同士はね。」
「えっ、別のキスはしたの。」
美奈子が良からぬ想像をしたことを見抜いた一郎が、即座に否定しました。
「変なキスじゃない。キスよりもハグに近いかな。彼女が左、右、左と3回軽くハグしつつ、耳のそばでチュッ、チュッ、チュッと音をさせたことはあった。フランスのご挨拶って言ってたが。」
「えーっ、私とはしたことないのに。」
少し妬けた美奈子に、一郎は笑いながら弁解しました。
「そんなハグは、美紀子さんともその1回だけだったし、他の誰ともしたことないし、日本人の感覚では、されても意味がよくわからなかいだろう。大体彼女、ツインソウルだからかな、肉体関係を結ぶ相手ではないとお互い感じていたし。」
大学3年なら、もう結婚も視野に入っているだろうし、当然セックスも考え始める頃ですから、その割り切りも凄いと思いました。
「それで、割り切れたんだ。」
「一旦はね。」
そうだった。彼女と夫は、私と付き合う前と、結婚して16年後にもいろいろあったことを思い出した美奈子でした。
「あっ、そうだった。美紀子さん、3万円の食事の相手だった。」
私と結婚してから16年後に、夫は彼女と、私とは行ったことも無い大阪の高級ホテルで、3万円の豪勢な食事をしたのだった。
「そう言っちゃ身も蓋もないが、記念すべき再会の場が、彼女が指定したリーガロイヤルホテルだったから、そうなってしまったんだ。一旦別れる前に、サヴァンの予知合戦やった結果、二人とも結婚相手ではないとの結果に落ち着いていたし。」
「ところで、サヴァンの予知合戦の結果はどうだったの。彼女が死ぬから交際は止めた、としか聞いてなかったけど。」
夫は、「美紀子さんは、結婚する相手ではないし、したら死んでしまうと予知したから諦めた。」と話してくれたことがありました。
「あなた、彼女が死んでしまうから諦めたって、言ったわよね。」
「サヴァンの予知では、僕が殺すわけではないが、結婚したら、彼女が頭にきて僕の両親ぶっ殺して自殺する結果で一致した。」
過激ですが、夫にとって一番の癌が両親であることを、彼女も見抜いていたことになります。
私も、彼の両親が一番の問題であることまではわかったものの、殺すことまでは到底考えられませんでした。
「ちょっと妬けるわね。彼女も同じ結果を出したんなら、そこまであなたと家庭のことを理解していたわけだし、その結果自分がどうなっても、あなたの両親を殺すことにも躊躇はなかったみたいだし。」
一郎も、法的にはどうあれ、そうされてもおかしくないぐらいのことをした両親だったのですから、彼女がその結果を導き出したことは、サヴァンの超越的演算結果であると認めました。
「それがサヴァンの予知なのだが、余りに計算できると、短絡的としか言いようがなくなる。」
美奈子、そうはならなかったことを知っていますから、二人がどう折り合ったのか聞いてみました。
「それで、どうしたの。」
「僕は、美奈子が結婚相手になることを予知したし、両親の問題もあったし、やーさんの佐々木さんとお友達だったし、それらを口実にして、美紀子さんには、良家の娘の君とは結婚できないよと別れた。」
「それって、私と交際する時のことよね。」
当時、彼に恋人について聞いたら、結婚すべきソウルメイトの美奈子と巡り合ったから別れたと答えたのです。
「そう。18年後に再会することも少しは予知していたが、僕としては、また会うことがあるだろうという程度で、それ以上の予知はできなかった。」
僕としてはと断ったからには、彼女はもっと予知していたことになります。
「彼女はどうしたの。」
「黙ってお別れしたが、彼女自身、同じような予知はしていて、「ちょっぴりショックだったけど、摩耶家のお嬢様に生まれてしまったから、あなたと普通に結婚はできないことはわかっていたわ。」と後に話してくれた。」
「彼女の予知も同じだったんだ。」
「半分は。」
ということは、美紀子さんは、彼以上の予知をしたのか。
「えっ、美紀子さんの予知は違ったの。」
「そう。結婚したら悲劇になるところまでの予知は共通だったが、彼女の予知の結果は、僕と再会するのは死の直前というものだった。事実、18年後に再会した時には、彼女余命1か月の状態だったし、最後に僕と会って死ぬとの予知自体は決して間違っていなかっただろう。」
美奈子には、超天才の思考が全く理解できませんでした。
普通、そこまで予知できたら、そうならないように考えるものです。
「そんなことって、普通の人間に考えられるのかしら。私には理解不能だわ。でも、1か月じゃ死ななかったわよね。」
彼女が死んだのは、夫と再会した3年後だったはずです。
「そう。そこで、僕の意地というよりは、純粋に生命尊重で、彼女の寿命を延ばした。」
そんなことが本当にできるのか、と疑いたくなりましたが、再会2日後が美紀子さんの誕生日でしたから、彼は自分が身に付けていたトルマリンのブレスレットをプレゼントしたことを思い出しました。
「あっ、ブレスレットか。」
「そう。見事だったね。3年後にブレスレットが粉々に砕け散って、その3日後に彼女は亡くなった。」
彼が身に付けていたトルマリンのブレスレットを利用したことは理解しましたが、どうすれば寿命を延ばせたのか、美奈子は全くわかりませんから聞きました。
「どうやったの。」
「ツインソウルの波動の感応を利用した。彼女と僕は、魂の双子で、同じ波動の持ち主なんだよ。だから、僕のエナジーを彼女に伝えることができた。だから、半年1回のデートで充電しつつ、予備電池として、トルマリンブレスレットを媒介して遠隔でエナジーを伝えることで、余命1か月を3年まで延ばした。」
美奈子、別のことが気になったので先に聞いてみました。
「私に対しては、美紀子さんと同じことはできないの。」
「残念ながら、美奈子とは波動が違うから、ツインソウルの美紀子さんのように効率良くはできないし、何かを介して伝えることもできないが、直接触れることで、ある程度の生命エナジーを伝えることはできる。」
彼の言葉に、32歳の時に子宮筋腫破裂で死にかけた私を、病室でずっと手を握って看病してくれたことを思い出しました。
「あっ、死にかけた時にやってくれたあれ。」
「そう。少しはできるが、彼女の様には行かない。」
「あの時のお礼してなかったわね。ありがとう、助けてくれて。」
本当に死にそうでしたから、当時夫に感謝している余裕がありませんでした。
「いや、あれは神様ならぬイギギさまの思し召しだったから、礼には及ばぬ。」
そうだ、彼、神様と私の寿命を巡って命の取引をしたのだが、おまけしてくれたらしく、今でも二人とも元気に生きている。
「私のことは置いておいて、美紀子さんは、劇的な最後だったわね、ブレスレットが砕け散って、それに呼応するように彼女の命も終わったって。」
すると、彼は少し渋い顔をしました。
「あれ、違ったの。」
「うーん、彼女自身に確かめることはできなかったから真相かどうかの確認はできないままになってしまったが、彼女、最後は生きることを諦めたんだと思う。」
「何故。」
「ブレスレットが砕け散った時、泣きながら電話してきて、代わりのものを頂戴ってねだったんだ。」
そのことは、夫から聞いていましたし、彼は出張先の高知で手配して送ったはずでした。
「あなた、代わりのブレスレット送ったでしょ。」
「そう。できる限りのエナジーを込めて送った。」
「でも、効き目は無かったのかしら。」
「そこが微妙なんだ。」
「どう。」
「ブレスレットは、彼女の元に届いていた。しかし、死んだ時に彼女は、ブレスレットを身に付けていなかった。」
夫にねだったものが届き、それが自分の命にかかわることを知っていれば、普通は直ぐに身に付けるはずです。
「何故直ぐに身に着けなかったのかしら。」
「死んでいる(心肺停止状態だった)彼女を発見したお母さんが、その時の状況を詳しく教えてくれたのだが、僕からの手紙とブレスレットがテーブルの上にあって、彼女はベッドに倒れて既に冷たくなっていたそうだ。シャワーを浴びて身を清めてから身に付けようと思ったんだろうと教えてくれたのだが、ツインソウルの私のエナジーに頼って生き延びるのは止めて、もう死んでもいいと思ったのかも知れない。それ以上に、肉体がもう延命にというか、エナジー受け入れに耐えられない状況になっていたこともあったかもしれない。」
「というと。」
「余命1か月が2年生きたこと自体が奇跡で、膵臓だったかも悪くて、痛みで七転八倒になることもあったというんだ。だから、その痛み、苦しみからも逃れるためには、最後は静かに死を選んだのかもしれない。」
もしそのとおりだったら悲しいなと美奈子は思いましたが、夫の表情は悲しみでも寂しさでもない様でした。
「ツインソウルの美紀子さんが亡くなって、あなたは悲しくなかったの。」
「悲しくはなかった。彼女のサヴァン予知である余命1か月を3年に引き延ばしたのが限界だったのかなと、人間としての限界を知っただけだ。僕と結婚して直ぐに死ぬよりは良かったと考えるしかない。」
夫の表情に、これって虚無っていうものなのかな、と思った美奈子でしたが、丁度彼女が死んだ頃に、彼が娘に、「誰か死んだ気がする。」と話していたことを思い出しました。
「そう言えば、あなた、彼女が死んだと思われる時に、娘に「誰か死んだ。」って言ったわね。それも、ツインソウルの共感だったの。」
「そうだな。まあ、母の時も感じたから、ツインソウルには限らないんだと思うけど、実は、彼女の時は、母親から連絡が来る2日前、誰かが死んだと感じる1日前に、もっと奇妙な感覚があった。」
「どんな。」
「人工呼吸器を取り付けて蘇生に挑戦している時の感覚。」
考えただけでも気持ちの悪い感覚です。
「もう。どんな感覚なのよ。」
「結構凄い音がして、無理やり呼吸させられてる感覚。」
「それって、実際にあったことなの。」
「心肺停止で病院に運んで、電気ショックやら人工呼吸器で、一旦心拍と呼吸は回復させたらしい。だから、僕に連絡した時も、最初に「手遅れでした。」と言ったにもかかわらず、後から「元気になったら連絡させます。」と矛盾したことを言ったのだろう。ご丁寧に、自発呼吸は回復したからモーツアルトのレクイエムを流しているなんてことまで教えてくれたから、しばらくは人工呼吸器も装着していただろう。でも、その後全く連絡はなかったし、実際は、僕に連絡してきたのは、延命措置を打ち切った後だったのだろうと思う。」
「あなたは、それで良かったの。」
聞いてしまった後で、自分は一体何を聞こうとしているのか、疑った美奈子でした。
「延命措置していると感じた時、彼女は「お願いだから止めて欲しい。」と願っていたように感じたから、それでよかったんだ。サヴァンの予知は完全には的中しなかったが、人間は絶対死ぬ。そう思い知らされただけで、悲しいとも寂しいとも思えなかったのが実感だ。」
そう、だから虚無の表情だったのか。
元々表情と言うよりも感情に乏しい夫だから、少しは楽しそうな話をさせようと、美奈子は話題を変えることにしました。
「美紀子さんのことは、これでおしまいにしましょう。それで、ちょい、いや大分戻るけど、4年生の春に女の子7人連れて歩いた事情を説明して。」
「ああ、あれはつまらない話だ。」
楽しい話にならないかなと期待して振ったのに、彼は素っ気ない。
「でも、人付き合いが悪い感情欠陥のあなたがやったとは、到底信じられないような話よ。どういう状況だったの。」
下心だけでなく、嫉妬の意識や悪意さえない夫ですから、女子大生たちの体が目当てではなかったことは確かだと思いましたが、本人から説明を聞くことにしました。
「あれね、4年の5月過ぎに、いろいろな女子大から、見学と称して女の子たちが押し寄せてきたんだ。総勢10名超えていたな。」
「で、そのうちの7人だったわけ。」
「そう言ったら、7股かけたみたいじゃないか。」
普通、そう思うでしょう。
「違うの。」
「他の京大生たちは、既に恋人がいたり、別の候補者が居たりして、フリーだった僕にお鉢が回って来た。ただそれだけだったから、僕は京大の学内を案内して回ったんだ。」
でも、7人か10人か知りませんが、一人でそれだけ連れて歩けば、他人から見ればハーレムです。
「見ただけだったらハーレムじゃないの。」
すると、一郎が笑い出しました。
「うん。それは認める。研究室の同級生で、凄い毒舌の奴が居たんだが、7人連れて歩いている所にたまたま出くわしたら、ポカンと口を開いたまま何も言ってこなかった。後から聞いたら、毒舌の彼でも、何と言っていいかわからなかったんだと。」
「じゃあ、その7人と付き合ったわけじゃなかったんだ。」
「流石に7人は無理だ。」
「と言うことは、その時は誰も恋人にはならなかったんだ。」
「1か月遅れでなったのが、N女の木下優佳さんだ。」
「ああ、みんなの前で京大生の恋人が欲しいって爆弾発言した、スタイル抜群の子ね。」
「そう。」
つまりは、その1か月で、7人が一人になったことになります。
「どうやって選抜したの。」
「いや、選抜した気はなかったが、さっきちょっと話したように、例の爆弾発言で、彼女は一旦疎外されてしまって、年上の後輩の栢本君が可哀そうに思って付き合ったが、男性と思ってもらえずショックを受けて、僕に押し付けたわけ。」
「それ以前に、残りの6人はどうだったの。彼女らも、あなたが目当てだったんでしょう。」
美奈子、感情には欠陥がありますが、優しいし紳士的な夫ですから、当然女の子たちは、将来の旦那様に狙っていたと思いました。
「これまた、多すぎるのも考え物で、6人で牽制しあっているうちに、相互不可侵条約を結んだみたいな状態になってしまったんだ。」
「あれ、優佳ちゃんは。」
一郎、吹き出しました。
「ああ、漁夫の利とは言えないが、彼女、馬鹿正直にみんなに聞いて回ったんだよ。」
「何と。」
「「私、神坂さんがいいと思うんだけど、彼と付き合っている人居ないの。」って全員に聞いたわけ。」
普通、なかなか聞けませんが、そう聞いたら誰も付き合っていないことになります。
「誰も、付き合ってるって言えないわね。」
「それで、結局誰も付き合っていないもんだから、「じゃあ、私アタックしてみるわ。」となって、先ほど話したように、「結婚前提、結婚まではプラトニックラブでの交際をお願いします。」と単刀直入に斬り込んできた。」
結婚がかかっているのですから、簡単に応じるような問題ではありませんが、彼は応じたのです。
「それで、あっさりOKしたんだ。」
「優佳ちゃんもね、美奈子と同じで、純真で悪意のない子だったからね。とりあえず付き合ってみるかって感じで応じた。それで、9か月続いたんだが、さっき話したように、最後は少し後味の悪い別れ方になってしまった。」
美奈子、気になったので聞いてみました。
「優佳ちゃん、その後どうなったか知ってるの。」
「後輩たちから聞いた話では、僕と別れた後、半年間ぐらい変になっていたらしい。」
ショックだったのだろうし、無理からぬことかなと思いつつ、その後を聞いてみました。
「その後は。」
「復活したって。それで、美紀子さんと再会する半年前ぐらいに、誰かが僕を探している気がしたので、彼女のこともN女子大に問い合わせて聞いてみたら、既に結婚して幸せになっているらしいので安心した。」
摩耶美紀子さんとの再会前にもそんなことがあったことを初めて知った美奈子でしたが、思い返してみると、その時期少し夫の様子がおかしく、厄年か更年期障害かってからかったことを思い出しました。
「あっ、厄年か更年期障害かってからかった時か。」
「厄年には3年早かったな。更年期でもなかったし。でも、考えてみれば、彼女が亡くなったのが男の大厄の年だったな。」
「私死にかけたの、女の厄年だったし、あるのかもね。でも、あなた自身には無くて良かったんじゃない。」
美奈子はそう考えました。
「そうも考えられるが、魂の片割れを無くしたとすれば、大変な厄だったとも言える。」
「なるほど。でもまあ、お互い今まで生きてこれたから良かったわ。」
「そう。神様に感謝だ。」
美奈子、最後に気になることを聞いてみることにしました。
「あなたって、セックスに対しては全然欲がないように思えるけど、本当はどうなの。」
ここのところ6年間、ずーっとセックスレスなのですが、彼は、全然気にしていないようなのです。
「そうだな。どうも前世記憶の影響なのか、前世で夫婦だった相手でないとする気にならないような気もしているし、セックスがそれほど快感かと言えばそうでもないし、現世では美奈子としかしていないが、美奈子だからする気になるかと思えばそうでもない。」
つまり、彼はあまりセックスする気はないことになります。
「する気のないあなたが、何故、私とはできたの。」
「前世の妻だし、現世ではする相手だったから。」
「でも、良くなかったわけ。」
「いろいろだ。」
良くなかったと言われるとショックですが、いろいろと言われるのも微妙です。
「なんでいろいろなのよ。最愛の妻なんでしょう。」
美奈子、本人も認めてくれていますし、自分は彼の最愛の妻だと確信していました。
「いくら最愛の妻でも、僕は、相手が楽しんでくれないとよくない。」
「私が楽しめないと、よくないの。」
「そう。」
確かに美奈子、近年は更年期もあってセックスが楽しめないと思っていたら、彼も求めてこないのです。
「うーん、言われてみるとそのとおりかしら。」
「結ばれるべきソウルメイトだからセックスもしていたけど、元々美奈子、ちょっと異常だから。」
異常と言われると気になります。
「何が異常よ。」
「わからないかい。」
本人は、思い当たることがありませんでした。
「うん。全然わからない。」
「美奈子、セックスはむしろ痛みがあっていいと思っているだろ。だから、良く言えば情熱的、悪く言えばハードで荒っぽい。」
言われてみるとそのとおりで、最初は痛かったけど、彼と結ばれるためと割り切っていて、その後もその痛みが彼と結ばれた実感であり、愛されている証でもあるように感じていたのです。
「うーん。確かにそんなところもあるけど、快感もあるわよ。」
「本当に。」
「うん。体が蕩けそうな感覚もあるのよ。」
「何時もじゃないだろう。」
指摘されるとそのとおりで、蕩けそうな快感は、10回に1回あるかないかでした。
「うーん、それもそのとおりか。」
「だから、僕は、美奈子が「蕩けちゃう。」って満足してくれた時でないと、本当の快感じゃない。」
「えーっ、それって私の感覚でしょう。あなたの感覚じゃない。男の人って、相手が誰でも、やって自分が快感であればいいってところがあるって聞いてるけど。」
「野蛮な男ならそうなのだろうが、僕は、美奈子が楽しめて、快感でないと、楽しめないし、快感でもない。」
サヴァンの変人といえども、セックスはやれれば快感なのかと思っていた美奈子でした。
「そうなんだ。今の今まで知らなかった。どうしてそうなの。」
「理由はわからないけど、感覚的には鏡のスタンドで説明つくのでは。」
彼は、物理的なものから精神的なものまで、鏡のように反射する。
しかし、この場合感じるのは私なのだが、私の快感を感じて反射するのは彼だから、彼自身でもあるというわけか。
つまりは、私が快感でないと、彼も快感じゃないってことなんだ。
「そうか。反射しようが何しようが、感じるのは私で、それを感じて反射するのがあなたなんだ。だから、私が感じないと、あなたも感じないし、あなたが感じないと、私も感じにくいってところかしら。」
「そんな感じかな。」
「うー、とことん変人やね。じゃあ、私以外の前世の妻が現れたら、セックスすることもあるのかしら。」
美奈子、気になっていたことを確かめてみました。
「うーん、前世の話すると、悲恋に終わって、美奈子の前世の蓮花が自殺した十数年ぐらい後だったか、蓮花の姉の梨花と私の前世清十郎の二人とも伴侶を亡くして、その後、内縁の夫婦としてひっそり暮らしていたんだ。」
美奈子、ずばり聞きました。
「梨花さんとのセックスはどうだったの。」
「覚えていないというのが実態だが、セックス自体はできていたと思う。」
「良かったか悪かったかはわからないわけね。」
「そのとおりだが、当時はそういうことには厳しい時代だったし、内縁関係と言うよりもずばりお妾さんだったのだが、ずっと続いたことも珍しかっただろうし、続いたということは、悪くは無かったのだと想像はつく。」
つまりは、むしろ自分とのセックスよりも良かった可能性があります。
「私の前世よりも良かったんだ。」
「良かったかどうかはわからない。でも、セックスが原因で蓮花が妊娠して自殺したから、清十郎はセックスには消極的だった。」
「梨花さんは。」
「彼女の方が積極的だった気はする。」
それなら、梨花の転生と巡り合ったら、美奈子のようにセックスできる可能性は大です。
「それなら、もし巡り合えたら試してみたら。」
美奈子がそんなことを言い出すとは意外でした。
「美奈子が浮気を勧めるようなことを言うとは意外だ。」
「いや、私、自分がやる気にならないセックスで、嫉妬する気にはならないの。」
「じゃあ、何なら嫉妬する。」
「3万円の食事の方が嫉妬したかしら。」
「同じ食事をしようと誘ったら、味もわからないような食事はいらないって言って、指輪になったんだよね。」
その埋め合わせに、6万円のピンクトルマリンの指輪をプレゼントした一郎だったのです。
「そうだったわ。でも、それだってそんなに嫉妬はしなかったと思う。なんだかんだ言って、あなたは私を最愛の妻として扱ってくれていたから。」
美奈子、思いついたので意外なお願いをしました。
「今後、梨花さんと巡り合ったら教えて頂戴。」
「教えたらどうするんだ。」
「あなたとセックスして満たしてあげてってお願いするかも。」
一郎には、意外なお願いでした。
「今更そんなことはないと思うが、美奈子は許せるのか。」
一郎が呆れて確かめると、美奈子は舌を出しました。
「いや、あなたを本当に満足させてあげられればそれもいいかな、と思っただけ。」
「まあ、僕は元々セックスに執着はないし、満足することもないと思うけど、そんなことが起こったら、それはその時としておこう。」
「そうね。もしものお話しても無駄ね。今日は、初めてあなたとこんなお話をできて良かったわ。じゃあ、もう寝ましょう。」
「では、お休み。」
「お休みなさい。」
と言いつつ、二つ並べたお布団で別々に眠る二人でした。

続くかな。

画像は、一時絶滅しかかったので増やしたら庭中に増えたホタルブクロです。
蛍が中に入ることはありませんが、ハチはいっぱい入ってブンブン言ってます。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Aug 15, 2023 01:14:52 PM
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Favorite Blog

輝いてます! yuu1325さん
小さな雑貨屋さんブ… マジョリンさん
Paris暮らし Flutiste Mariさん
ペットのホリスティ… Kar-Mo-Cha-さん

Comments

Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞8(10/04) 記紀とは違うヤマトタケルを興味深く拝読…
Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞1(09/21) ずうずうしくリクエストをしたYokoです。 …
Yoko@ Re:ヤマトタケル?2(04/19) 21日のご返信に気が付かず、ご返信せずに…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: