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2005年02月19日
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江崎将史

 今日と明日は大阪シネマフェスティヴァルのプレイヴェントのお話ですよ。
 99年を最後に中断されていた映画祭りを来年2月から再開するということで、今回はその前年祭なのです。私は半月以上前に市役所のロビーでポスターを見て知り、すぐにピアで前売りを買って備えていました。

 初日の今日は『細雪』(83年東宝映画)と『リボルバー』(88年日活ロッポニカ映画)の上映、その間に上倉大阪大学文学部教授の講演もあって、都合6時間半程を会場の天王寺公園内映像館で過ごすことになりました。

 この映像館ですが、大勢の人間が6時間も続けて館内を利用することなど最初から想定外なのか、売店はおろか飲料の自販機もなく、主催者は「公園の出入口まで戻れば食堂もあります」などと暢気なことを言っていましたが、こちらは短い休憩時間内では館外へ出て5分程の缶ジュース自販機まで往復するのがせいぜいのところで、そういう事情を予め知っていた人たちは飲料食料を持参して来ていたのです。

もう一つついでに苦情を言うと、受付にいた人たちは自分たちが寒かったのかも知れませんが、館内は明らかに暖房が効き過ぎで、私などは出来るなら半裸になりたい程、終始ぐったりしていました。よほど『細雪』(140分)だけ見て帰ろうかと思いましたが、『リボルバー』は是非とも見て置きたかったので炎暑攻めにも耐え抜きました。

 『細雪』は「ささめゆき」と読んで下さいね。谷崎潤一郎の長編小説を映画化したものです。大阪船場の旧家の四姉妹を主人公とした懐古的(?)な作品というか、昭和十年代の、いよいよ我が国がのっぴきならない事態へと突き進んで行く世情を背景に、蒔岡家の三女と四女が結婚問題等でいろいろな事件を引き起こすわけですね。

 市川昆(←字がない!本当はこの昆に《山》冠が付くのです)監督は映像美の監督ですから、絵がとてもきれいです。
 ちなみに四姉妹は上から順に、岸恵子・佐久間良子・吉永小百合・古手川祐子が演じました。



 私が会場入り口に着いたのは開場30分前だったので、さぞや長い行列が出来ているのだろうなと観念していたのだが、実際は全然そんなことはなくて、私の前に並んでいた人は10人もいなかった。私にしてみてもこの催しを知ったのは全くの偶然だったのだから、実行委員会とともに主催者に名を連ねている大阪市や(財)大阪都市協会にも、一体やる気があるのかないのかという基本的な姿勢に関して、何やら胡散臭いものを感ぜざるを得なかった。
 『映画ファンのための映画祭』というわりには集まりが悪く、場内にはせいぜい百人くらいしかいなかったのではないだろうか。それも中高年が殆どだった。映画の内容と料金とのバランス(前売り1日800円)を考えれば立ち見が出ても止む無しと私は思っていたくらいだ。Tさんという実行委員長の話もあまり惹きつけるものが無かった。

 私がこうまで機嫌を損ねたのには理由があった、開場を待っている間に「井筒和幸監督来場せず」という張り紙を見つけたからである。彼は明日大森一樹監督とトークショーをする筈だったのである。何故なら明日の上映はこの二人の映画の二本立てであり、そうであるならば、その真ん中で行われる筈だった二人のトークショーは、今回のこの催しの中核を為す企画だったに違いないのだ。しかも欠席の理由は明かされていないのである。

 上倉庸敬大阪大学文学部美学科教授の「『細雪』と大阪ゆかりの映像文化」と銘打たれた講演は教授には時間が少な過ぎたようである。大学での授業並みの持ち時間があればもっとまとまりのある話を聞けたと思う。
 谷崎の原作は今は無き古き良き時代を懐古しているだけだが、市川監督は更にその上に自らの思い入れを描き込んでいる、というような内容だった。パワーポイントを使った昔の映像の上映は「ホースを踏んづけてお尻ペンペンされるサイレント」等見覚えのあるものもあったが総じて良かった。

 講演の後「21人の映画好きが選んだ04年度のベストテン」発表というのがあったが、そんなもの本当に意味があるのかどうか、私は信じられなかったので無視して目を休めていた。何せ6時間超の長丁場である。

 そしていよいよ『リボルバー』(115分)の時間となった。
 これは佐藤正午という人の原作を藤田敏八監督が映画化したものです。なんたって敏八(としやが正しいのですが、みんなビンパチと読みます)さんは『青春の巨匠』ですからね。こういう映画を若い人たちに見て貰わないでどうするんですかと、私は言いたいのですよ。

 藤田敏八と言えば『八月の濡れた砂』です。石川セリの唄う同名のテーマソングもヒットしました。若い人もチャンスがあったら見て、聞いて下さいね。

 さてこの映画、オムニバス形式で軽快に話が進んで行きます。オムニバスというのは乗り合いバスのことで、何組かの無関係な男女の話を寸断して繋げて行って、最後の大追跡で一同がついに一箇所に集まって一つの事件に関係するのですが、でもあくまで他人は他人なのです。

 映画評論家でもない私が(いや仮に評論家であっても!)ストーリーの細部にまで立ち入ることは避けるべきであると、私は考えますのでここでは主なキャストの紹介だけに留めておきます。



 まあ、主催者側の姿勢に疑問は感じたものの、上映された2本の映画は申し分なく、上倉教授の講演も良かったというのが私の感想です。帰りは本降りの雨でした。





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Last updated  2005年02月19日 22時48分45秒 コメント(2) | コメントを書く
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