もえうぉっち

もえうぉっち

2008.07.28
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カテゴリ: 活字主体の本
「ペアン」(pean)
      手術に使用する鉗子。止血や組織把持に用いる。
      コッヘル(Kocher)と違って先端に鉤がない。
      主に腸管等軟組織の把持に使用。




時は1988年。
昭和が終わり、平成に変わる頃。

東城大医学部の雄、付属病院外科学教室の佐伯教授。
その天才的な手腕は医学界に轟いている。
そこに配属された新人外科医(見習い)の世良が目撃した世界。
暗い病院内部の闇。

帝華大から招聘された変り種の講師、高階。
素晴らしい技術を持つ、万年助手の渡海。
この二人を軸にして、手術室を舞台に火花は散る。


まったく違うタイプの二人の間で、挫折と成長を繰り返す新米の世良を絡めて話は展開します。

医者を続けるということは、人を殺し続けるということだ。
手術ミスにしろ、診立て違いにしろ、手遅れにしろ同じこと。
自分の目の前で成す術もなく、命が消える。

手術中世良がほんのちょっと強く鉤をひいただけで、脾臓から大量出血。
その場はことなきを得ますが、世良は真の医療現場に直面し、挫折する。

技術のない自分に人は救えない。

わたしは五人殺している。

ましてや誰も殺していない君は敵前逃亡である。

高階はそう世良に言います。
医学を志すものには、それに立ち向かう責任がある、と。

個人的に医療現場のお話が好きだということもありますが、とても面白かったです。
これまでのお話と違い、コミカルな部分はありません。
そういえば、田口と速水と嶋津が医学部2回生として出てきます。碧翠院桜ノ宮病院もチラっと。
このあたりは熱心なファンへのサービスでしょうか。
語り口はこれまで同様に重くなく、多少の専門用語はありますが、読みやすいです。
ミステリー仕立てでないところに魅力がある作品。






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最終更新日  2008.07.28 23:02:29
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