♪アトリエえんどうまめ 今季洋の日記。

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2008.01.21
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テーマ: 十牛図(49)
カテゴリ: 十牛図
十牛図の本


『たましいのこと 十牛図で考える人生』
松村潔・著 ユビキタ・スタジオ です。

『あらためて十牛図の絵を描く講座』にむけて
自分自身の認識を深めるために
テキストの読み直しをしています。

ここにアップしているのは
そのための覚書です。

<この表記>は

写し書き部分です。



第五章◎老年は精神の生命の爆発する時代  その2

「胞衣」「世界卵の殻」

<この力は異界との境界線でないと働かない。私達は、幼児そして老人の段階で、ここに接近する。秦河勝の祟りは、この境界線に接したものが持つ特有の強烈な生命力を、まるで第十図の老人のように町の中に持ち込んだ故でもある。> P.146


定住しない「無縁」の者が境界線をこえた力を持ち込む

<織豊時代以後、無縁の人々が抑圧されたように、こんにちの私たちの中にも、この要素が多少含まれているにもかかわらず、この要素を完全否定することになると、結果的に自殺願望などにも結びつくのではないかと思う。家から出たいのに出られない場合には、精神だけが家から出る結果になり、ニートや自殺、不祥事の行動に結びつくのではないか。この共同体を離れてはいけないという織豊時代からの習慣に縛られて、定年退職後もはじけることのできない人々がたくさんいるのではないかと思うが、十牛図を見直すことで、この呪縛を打破することも大切ではないかと思われる。> P.148


ヒンドゥー社会の四住期

<林住期に入る準備は、子供が自立した段階で、ここでは林の中で瞑想と祈りを続ける半隠遁がはじまる。最後にすべての世俗から離れて、聖地巡礼をし、放浪の中で人生の真実を探る遊行期が訪れる。> P.149


実利に貢献する方向性はもうあまり楽しくない

<社会の中で手に入り得るものを手に入れて、社会の中でこれ以上がんばっても、楽しくもないし励みにも感じないと感じる時期がやってくる。もう達成してしまったし、そんなに驚くほどすごいものがやってくるとはどうみても考えられない。この時に、切り替えが始まるのではあるまいか。ある人は四十代、また六十歳の場合もあるのではないか。

それ以後、心身の分裂をはじめてしまうので、秋以前にやっていたような、形を増やすことには貢献しない行為をした方がいいのではないかと思う。新しく会社を作るというのも面白いかもしれないが、秋以後は苗を育てることに力を使いにくいので、こうした実利に貢献する方向性はあまり楽しくない。

むしろ目に見える成果という点では役に立たない、文化的、芸術的、宗教的なことも手がけたほうが適しているのではないかと思う。もう分裂を始めているので、こちらのほうがよほど楽しい。第七図にいたときに、夢見ていた遠くの須弥山と月。そこに現実に吸い込まれてゆくのが好ましい。そして戻ってくる。そして教える。> P.152


老人と山

<温泉に出かけたり、かつて聖地と呼ばれていた古跡をめぐったりすること、とくに山に関係した場所に行くというのは、もちろん十牛図の第八図、第九図に対応して、有意義なことであるのは言うまでもない。> P.153


結論=定年後は人生のあまりの部分ではない

<秋という定年の時期や、五十代から六十代前後に、わたしたちの人生は形を育てるところから、精神が分離して、この精神の活発さそのものを遊ぶ力が出てくる。仏教では、これを「遊化 ゆげ」ともいうわけで、第十図の入てん垂手の老人の姿勢である。



また秋分的な転回点よりも若い年齢で、精神世界に興味を持ちすぎるのも控えたほうがいいのかもしれない。むしろ苗の育成に活力を使うべきであるということになる。町の中に、世界の中に、もっと自分を沈めていく。町の中での体験をたくさんするほど、その後の解放効果は強く働く。> P.154


<本書で行動としてあまり具体的な提案をするつもりはない。何をしてもいいのだ。言いたいのは、定年後は人生の余りの部分ではないということだ。単一的な感覚の支配する世界観のもとでは、価値の中心は決まっているので、そこでは端にある老人とか幼児は、付随的で重要ではないものになっていく。しかし、十牛図のような、階層構造の宇宙像では、端にあるものは、次に重なるものとのインターバルとして、要の役割を持つようになる。> P.156


<心身の分裂後の意識の大きな拡大力は、それ以前の時期には決して手に入らない。思春期の情操の盛り上がりは身体性という生理作用との結びつきによってもたらされているので、そこには限界性がある。人生の秋以後は、このような生理的な作用には依存しないからこそダイナミックな振幅が出てくる。これはこの時期にしか得られないことなのではないかと思うのである。そして当然のことながら、この成果はすべて町にも還元されていく。このときに実用性を気にしすぎなくていい。また収益を上げるということも町の中でのみ通用する原理なので、それにこだわりすぎることもない。> P.157





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Last updated  2019.01.27 14:06:02


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