原爆が6発落とされた日本。
敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。
すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。
しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は、
100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も、
併せて成立していた。
そして、西暦2048年。
実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、
いよいよ間近に迫っていた。
“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、
死を迎える者を見送る者…。
自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた、
生の実感と死の恐怖が、この国を覆う。
その先に、新たに生きる希望を見出すことができるのか。
いざ自分が、永遠の若さと命を手にすることができる権利が与えられたら。
それを享受するだろうか…。
100年後には死ぬことが決定していても、選ぶだろうか…。
100年なんてまだまだ先のこと、と思っていても、
寿命のない人間にとって100年とは、あっという間なのかもしれない。
その処置を受け入れ、その法を制定し、いよいよ死が近づいてきた者。
実際よりもずっと若い体を保ちながらも、生きることに倦んでいる者。
100歳なんてまだまだ先のことだと、不老処置を受けたばかりの若者。
それぞれの思惑の中で、法律を変えるか否か、という問題に直面する。
が、それよりももっと逃れられない残酷な運命が、彼らを待っていた。
人間は、永遠に生きようと寿命の中で生きようと本質は、
変わらないものなのかもしれない。
「老化」も「死」も、生きている以上、漏れなく平等に起こることなのに、
それらへの恐怖は、誰も払拭できない。
だからこそ、「生」にしがみつこうとする。
それがどんな弊害を生むかは、分かっていたはずなのに。
比べられるものではないけれど、永遠の命の中で、
得るものと失うもの、どちらが多いのだろうか。
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