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小川洋子(文藝春秋)初めて読んだ小川さんの作品『妊娠カレンダー』は強烈な印象でした。その後、それほど多作というわけではない小川さんの小説に出会うたびに、私は新鮮なショックを受けています。小川さんの文章は、そしてストーリーの舞台そのものは、とても静かで美しく、清流のような清らかに流れます。でも、そのなかに、とてもおだやかに、さりげなく猛毒や鋭いトゲが潜んでいるのです。これは強烈な暴力や悪意、おどろおどろしい描写よりもよっぽど真に迫ってきます。本当に、しんみりと怖く、深い悲しみを感じたりします。だから、私は自分の体力や気力が弱っているときには不用意に近づかないようにしています。それほど、私には影響力が強いのです。さて、先日手に入れた文庫本『やさしい訴え』。これまた、まだ最後まで読んでいないのですが、今回も描写が断然美しいです。そして、そこはかとなく孤独や悲しみが漂います。秋の読書にとても似合う味わい。おすすめです。
November 2, 2004
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荒木経惟 (平凡社)ネコ本のなかでは、かなり知名度の高い1冊。いわゆる「かわいいわねえ」とのほほんと眺めるタイプの写真集ではありません。実際の、人とネコの生活のリアルな記録誌です。だから「ネコに憧れ」てる方よりも、ネコとの生活経験アリの方のほうが楽しめると思います。で、泣けると思う。人もネコも生きていて、生には死があって、そのなかで時は淡々と流れるんだなあ、そしてまた人もネコも生きていくんだなあ。私は、この本のチロがかわいい。そして、逆らえない生死の運命が悲しい。切ない、けれどだからこそ、今は生きていて楽しい。そう思います。ちなみに、ウチはネコ様2名いらっしゃいます。ハイ。
October 25, 2004
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吉本ばななことある毎に読み返す1冊がコレです。ストーリーはもちろんのこと、文章の調子、全体の雰囲気が私の「好き」な感覚に本当にピタッとはまっているのです。設定や出来事は決して甘くない、むしろ厳しめの内容なのに、どこかほんわか、やさしい感触。それは誰もが心に抱いている「やさしさ」「哀しさ」を、登場人物のみかげたちがお互いに尊重し合っているからかなあ、私にはそんな風に感じられます。他人との距離感や、ものごとを乗り越えるプロセスなど、あらゆるシーンに描かれている主人公たちの独特な感覚、決意や行動が私を励まし、ちょっと笑わせてくれます。「最近なーんとなくパワー不足かなあ」というときには、この1冊をお試しあれ。
October 22, 2004
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貫井徳郎 (双葉文庫)電車のなかで読むことが圧倒的に多いので、買うのはもっぱら「文庫」ばかり。一人の作家の作品をドドドッと連続で読破するクセがあります。そんなわけで、今は貫井徳郎作品を追いかけてます。『慟哭』から入り、『迷宮遡行』『光と影の誘惑』を終え、今日入手したのが、この『失踪症候群』。まだ34ページまでしか読んでいませんが、早くも「面白いっ!」。気楽に、びゅんびゅん読み進められそうな気配です。メインの登場人物の設定が実にマンガチック。コレが「症候群」三部作の第一作ということなので、この先しばらく楽しめそうです。読破したら、また感想などご報告しますのでお楽しみに。
October 21, 2004
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さてさて、ここでは本紹介。小説、マンガなどジャンル問わず。「読んでみたよー」「気になってるよー」といった趣。念のため、初めに申し上げます。「おすすめ本」のコーナーではございませぬ。ただね、本屋さんに行くと、とにかく膨大な本の山のなかで、突如、どうしていいかわからなくなること、ありませんか?どのカテゴリ、どの作家を選べばいいのか・・。なにか、少しでも、選択の一助がほしいときってあるんじゃないかな。だから、私が「読んだ」という情報が、なにか探している人のちょっとした参考になれば、と、そんな気分でございます。
October 13, 2004
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