20. Ayler Dorf und Weinkirmes
その日、たまたまアイル村でワイン祭りがあった。
ペーター・ラウアー醸造所の前の広場で、試飲を終えて出てきたら、楽隊のリハーサルの賑やかな音が通りにあふれ、住民以外の車両が通行禁止になっていた。お祭り独特の雰囲気に心が浮き立つ。

キルメスという、教会が出来た日を記念するお祭りで、醸造所がある村では自然にワイン祭りになる。大抵はここのように、広場に舞台をつくって、地元の学校や消防団などの楽団が日頃の練習の成果を披露し、出演者の家族や知り合いが聞きに来ているといったような、ごく家族的な雰囲気の祭りであることが多い。

昔から毎年
8
月最後の週末に開催していたそうで、ザール・リースリング・サマーのイヴェントに同期して開催した訳ではないという。祭りの会場では、さっき会ったばかりのヘルムート・プルニエンが、ワインスタンドでお客の相手をしていて、週末でも休む暇もない様子だった。

他にトリーアのワインスタンドに毎年来ていた、レーヴェンスホーフ醸造所の主人もいた。彼のワインは辛口はともかく、甘口はとてもアロマティックで美味しい。揚げたて鱈のフライのサンドイッチを頬張りながら、彼らのリースリングを楽しんだ。

同行したR氏は、ターフェルシュピッツという牛肉の煮込みにゆで卵をマヨネーズに混ぜたソースを添えたものを食べていたのだが、味がしない、と言って、買った屋台に塩をとりに行った。後にして思えば、それはたぶん傷んでいたから、味がしなかったのだと思う。快晴のとても暑い日だったし、こうした祭りなどのイヴェントではあってもおかしくない。不調を訴えながらも、強靱な胃と若さで午後も乗り切ってくれた。

村祭りでしばらく和んだ後は、とりあえずカンツェムのフォン・オテグラーフェン醸造所へ向かった。
(つづく)
PR
Comments
Keyword Search