備忘録その 22. Weingut Piedmont & Weingut Reverchon
イヴェントの入場料の払い戻しという目的がなければ、隣村のフィルツェンにあるピエモント醸造所には行かなかっただろうし、ピエモント醸造所に行かなければレヴァション醸造所にも行かなかっただろう。何かに導かれていたのかもしれない。
ピエモント醸造所はフィルツェン村に入り口近くにある。もともと神父の館で、 1721

板張りの床が懐かしい二階の居間には、オーナーのクラウス・ピエモント氏と、モーゼル中流はライヴェン村のヨゼフ・ロッシ醸造所の息子さんがいた。ヴァインスベルクの醸造学校で勉強中で、ラインヘッセンのケラーやファルツのクニプサー醸造所で研修したそうだ。お父さんに似て積極果敢に前に進んでいくタイプと見た。ワインはアロマティックで凝縮感がある。ピエモント氏はトリーアの公的品質審査の責任者を務める人物。ワインは細っそりとして軽く繊細。ザールらしい個性。
フィルツェンには確か、ラインガウのペーター・ヤコブ・キューンも来ていたはず、と館を探し回るも見当たらず、再びピエモント夫人に聞いてみると、ここではなく、近くにあるレヴァション醸造所にいるというので、そちらに向かう。

レヴァション醸造所は
2007
年に倒産して、その後、トリーア出身の銀行家ハンス・マレト氏が購入した。どのくらい資産家かというと、百貨店カーシュタットのトリーア支店が経営不振に陥っていた時、その購入と立て直しに名乗りを上げたほどだ。フィルツェン村も子供の頃からよく来ていたという。
2007
年以降のレヴァションのワインは何度か飲んだが、印象に残っているのは
2010
年産リースリングで、除酸処理の跡があからさまでバランスを欠き、あまり感心しなかったことを覚えている。

だが
2014
年産から醸造主任が交代して、ラインガウのシュロス・フォルラーツで
20
年間醸造主任を務めていたラルフ・ヘアケ氏になった。「畑を見に来て、ここなら自分の手腕を発揮出来そうだと思った」と、転職の動機を語るヘアケ氏は
1968
年生まれ。彼の手になるワインは、ザールらしいスッキリとしたシトラス系の果実味と粘板岩のミネラリティに、どこかラインガウを思わせるヴォリューム感がある。
Filzener Herrenberg Riesling GC 2014
はピュアでパワフルで、それまでのレヴァションの印象を覆すものだった。

いろいろ調べると、実は今回訪問したファルツのフランク・ヨーンのコンサルティングも受けている、ビオロジックの醸造所だった。発酵は野生酵母で醸造中操作するのは温度だけだという。ヘアケ氏の着任は確実にワインの質を向上させたようだ。
(つづく)
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