備えあれば憂いなし

2004.07.20
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■メディアシーク――携帯用ソフトで巻き返し(検証成長のシナリオ)
システムコンサルティングや携帯電話向け情報提供を手がけるメディアシーク(4824)の業績が回復し始めた。経常損益は二期連続の単独赤字から、二〇〇四年七月期に連結黒字に転換する見込み。取引先からの発注量に左右されやすいコンサル業務への依存度を下げ、携帯用組み込みソフトの開発に経営の軸を移した。独自技術の提供会社として再浮上を目指す。
 「目標は携帯電話分野のマイクロソフト」。西尾直紀社長は自社の将来像をパソコン業界の覇者になぞらえる。携帯の機能向上に伴い、ソフトの需要もパソコン並みに高まると判断。開発販売に力を入れる。
 第一弾は自社開発した二次元バーコード読み取りソフトだ。同ソフト内蔵のカメラ付き携帯で雑誌広告などに付いた二次元バーコードを撮影すれば、瞬時に特定の携帯サイトを閲覧できる。ソフトを載せた携帯が売れると、一台につき三十円がメディアシークに入る仕組み。売上高総利益率は四〇%前後と高い。
 今期はソフト搭載の携帯が六百万―七百万台売れ、同社の売上高は二億円前後になる見通し。来期は国内だけで売上高六億―七億円を見込む。今年後半には、携帯の内蔵カメラで撮った画像向けに文字認識ソフトや画像補整ソフトも販売する予定だ。
 ソフト事業がけん引役となり、二〇〇四年七月期は連結売上高が前期単独比三二%増の九億七千万円、経常損益は一億一千万円の黒字(前期単独は二億一千百万円の赤字)と三期ぶりの好内容になりそうだ。西尾社長は「数字には強い自信を持っている」と話しており、見通しを上方修正する可能性が高い。
 同社は会社設立後九カ月半でスピード上場を果たした。事業の柱は企業内情報網構築などのコンサルティングと携帯向け有料情報提供。だが、コンサルティング事業は社員の継続的な採用が必要で人件費がかさむ。会員制の携帯サイトはプロレス情報が人気で安定収益源に育ったが、参入障壁が低く競争が激しい。業績はおのずと低迷した。
 ばん回を狙って「赤字の二年間、死ぬ気で準備した」(西尾社長)のが独自技術のソフトだった。海外市場向けでも携帯サイトのような翻訳の手間は不要。取引先は携帯端末メーカーなど大企業が中心で、資金回収面の危険は少ない。
 今後は売上高構成比を「ソフト五割、携帯サイト三割、コンサル二割」(西尾社長)にする。三年後の二〇〇七年七月期に連結売上高五十億円、経常利益十五億円を目標とする。

 だが累積損失はすでに一掃し、借入金もない。主力のカメラ付き携帯用ソフトの開発は「すでに済んだこと」(西尾社長)で、当面の費用増にはなりにくい。西尾社長は経常利益と一株利益を重視し、来期の一株利益は一万円以上を目指す。成長が思惑通りに続けば「市場のくら替えも検討課題にする」という。
 ソフトは携帯一台当たり単価が低いため、市場では「収入がただ同然の事業」(国内証券アナリスト)と批判する声がある。
 だが個人や外国人投資家の評価は高い。現在は調整局面に入っているが、六月二十九日には株価が上場来高値に迫る百四十五万円を付けた。時価総額は三百三十億円前後で、携帯関連企業ではジー・モード(2333)を抜いた。
 「特定の色を付けない企業でありたい」との考えから端末メーカーの出資は受けない。独自技術の提供を安定収益源にするには、継続的な取引先を確保するための戦略が必要だ。





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Last updated  2004.07.20 22:07:30
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