むらきぃの司法試験受験勉強記

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2019.02.23
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カテゴリ: 過去問の教材

平成23年短答式試験問題[刑事系科目]〔第37問〕

ウ.検察官は,司法警察員の取調べに対して任意の供述をした犯罪の目撃者が,その供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合において,圧迫を受けて公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがある場合に限り,第1回の公判期日前に,裁判官に証人の尋問を請求することができる。

【解説】

誤っている

刑訴法227条1項は、司法警察員ではなく「司法警察職員の取調べ」と規定している。


この解説もかなり見当違いなことを言っています。

刑事訴訟法227条1項は,以下のように規定しています。

第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。

確かに,本条は「司法警察員の取調べ」ではなく「司法警察職員の取調べ」と規定しています。

しかし,司法警察職員とは司法警察員および司法巡査のことをいい(同法39条3項本文括弧書),司法警察員は当然に司法警察職員に含まれるため,本肢のように犯罪の目撃者が任意の供述をした相手が司法警察員であったとしても,これをもって同法227条1項の要件を欠くことにはなりません。

したがって,同法227条1項が「司法警察員ではなく『司法警察職員の取調べ』と規定している」ために本肢が誤っているとする上記解説は,明らかに誤っています。

本条は,従来,「公判期日においては圧迫を受け前にした供述と異る供述をする虞があり」と規定されていました。

しかし,平成16年の改正により,上記の第1回公判期日前の証人尋問の要件のうち,「圧迫を受け」という部分が削除されました。

これは,同法227条に基づく裁判官の面前での証人尋問の活用を促進し,捜査段階における供述録取書の作成状況を巡る証人尋問等の証拠調べや捜査段階における供述と公判供述が相反する場合の供述の信用性の比較・判断を要する場面を少なくすることができるようにすることにより,刑事裁判の充実・迅速化を図ろうとするものです(松尾浩也 監修・松本時夫・土本武司 編集代表『条解 刑事訴訟法』[第3版増補版](弘文堂,2006)1028頁参照)。



そして,おそらく上記平成16年改正を理解しているかどうかを問うところにこそ,本肢の出題趣旨があると考えられます。


ちなみに,本問の解説の執筆者は,本問について以下のようにコメントしています。

第1回公判期日前における検察官、弁護人等の請求による証人尋問手続は、実務上重要な機能を果たしており、請求の要件、具体的手続等についての充分な理解が不可欠であるので、法科大学院教育との整合性を見出すことができる。

このように,本問の解説の執筆者は,第1回公判期日前における証人尋問手続の重要性を説いており,さらに,当該「請求の要件、具体的手続等についての充分な理解が不可欠である」とまで述べています。

それにもかかわらず,比較的最近の重要な法改正の内容を抑えていないため,上記解説では本肢の正誤の根拠となる同法227条1項の要件を的確に指摘できていません。

これは,現役の法科大学院の実務家教員としてはあまりに不勉強とさえ言えるのではないでしょうか。


それでは。





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Last updated  2019.02.23 08:00:10
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