むらきぃの司法試験受験勉強記

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2019.02.24
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カテゴリ: 過去問の教材

平成23年短答式試験問題[刑事系科目]〔第40問〕

エ.再審の請求は,刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない。

【解説】

誤っている

刑訴法435条。「刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない」との再審請求に関する制限規定は存在しない。


この解説の執筆者は,ちゃんと六法で条文を確認しているのでしょうか。

刑事訴訟法435条は,以下のように規定しています。

再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡を受けた事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。


そして,上記解説は,本条を指摘したうえで本肢にいうような「再審請求に関する制限規定は存在しない」としています。

しかしながら,再審に関しては同法435条から同法453条まで条文があり,その中にある同法441条は以下のように規定しています。

再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。

したがって,本肢は,この条文と反対の結論を述べているがゆえに誤っていることになります。

このように,本肢が誤っている根拠は同法441条にあるので,本肢の正誤の根拠として同法435条を指摘している上記解説は,明らかに誤っています。

なお,同法441条に規定されているように,再審請求の時期について期間の定めが置かれていないのは,刑の執行が終わった後や刑の時効完成後,刑の執行猶予期間の経過後,刑の廃止後などの場合であっても,再審によって無罪判決を受けることができれば,名誉回復の利益のほか,法律による資格制限の解除,刑事補償などの付随的利益を受けられるためです(松尾浩也 監修・松本時夫・土本武司 編集代表『条解 刑事訴訟法』[第3版増補版](弘文堂,2006)957頁参照)。


確かに,上記解説の「『刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない』との再審請求に関する制限規定は存在しない」という記述の内容は誤っているわけではありません。

しかし,本肢の正誤の根拠は条文にあるので,現役の法科大学院の実務家教員が解説するのであれば,少なくとも同法441条くらいは的確に指摘してもらいたいところです。


それでは。





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Last updated  2019.02.24 08:00:07
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