むらきぃの司法試験受験勉強記

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2020.11.24
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カテゴリ: 憲法の教材
高橋和之『立憲主義と日本国憲法』[第5版](有斐閣,2020)
524頁
※最新版は2024年8月発売の​ 第6版

​​ ​​

東京大学名誉教授の著者による基本書。

著者は,故芦部信喜博士の一番弟子で,現在の憲法学における第一人者の1人です。


本書には,憲法総論,人権,統治と憲法の全範囲の内容が含まれていますが,分量はあまり多くなく,そのため判例の引用も比較的少ないです。

本書の特徴としては,私人間における人権規定の無効力説,外国人の参政権肯定説,ケルゼンの法段階説に立脚した統治機構論,国民内閣制論といった独自説を採っている点が挙げられます。

また,司法権の定義も判例・通説とは異なります。




なお,上記基本書の他に著者が著した憲法訴訟論の概説書として,

高橋和之『体系 憲法訴訟』(岩波書店,2017)418頁


があります。

本書刊行以前の憲法訴訟論の体系書としては,​ 戸松秀典『憲法訴訟』 ​​がよく挙げられますが,同書は,現時点の日本においてどのような憲法秩序が形成されているかを探究するというアプローチの仕方で著されています。

それに対して,本書は,我が国の最高裁判所は憲法訴訟の体系を未だ判例理論として形成しているとは言い難いとの認識から,アメリカやドイツなどの憲法訴訟の理論に学びつつ,日本に適した違憲審査論の分析枠組を構想するというアプローチを採っており,方法論において前者と異なります。

具体的には,アメリカ的違憲審査基準論の枠組みを基本に据えて,そこに憲法裁判所を有するドイツの理論,すなわち,保護領域と介入の区別や比例原則における段階理論といった視点を採り入れていこうとする立場から著されています。

また,​ 戸松秀典『憲法訴訟』 ​と比べると,本書は,研究者や実務家よりも学生を対象として書かれているという評価もあるようです。


本書は,参考書としてはある程度役に立つことがあるかもしれませんが,現在の司法試験および予備試験の出題内容に照らすと,受験勉強においてその必要性は乏しいと思います。


それでは。





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Last updated  2024.08.22 08:20:00
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