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猫ギター

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2005/09/16
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カテゴリ: 塾の日常風景
今年のセンター試験の現代文では、教科書と同じ文章が出題されたそうだ。現代文なら古文ほど有利不利の差はないだろうが、しかし自分が読んことのある文章が出題されたら、ふだんの力より高得点があげられることは否めない。受験生は問題作成者から祝福されたような気分にもなるだろう。

また読んだ経験がある文章じゃなくても、自分が興味を持つ分野の文章が出題されたら有利になることは確かだ。ガンダム好きの男の子ならガンダム論が出れば喜び勇んで問題を解くだろうが、ガンダムに興味がなく存在すら知らない女の子だったら、文章に対して距離を感じるだろう。

たしかに国語力とは、どんなジャンルの文章が攻めてきても、普遍的でブレない方法論で文を鋭く的確に切りさばく能力なのだろうが、自分の興味や思想に合致した文章なら、文章を解釈する能力が少々稚拙でも、本文の執筆者や出題者の気持ちが乗り移ったような強い共感で解けてしまうものだ。特に記述式の問題ならば。


ところで今年のセンター試験には、小津安二郎についての文章が出題されていた。出題文の著者は映画監督の吉田喜重氏、女優の岡田茉莉子の夫で、若い頃小津の謦咳に接していた人だ。

私は高校時代から小津安二郎が好きで、吉田氏の文章は共感しながら読んだ。出典の「小津安二郎の反映画」は私の本棚にある。小津好きの私には、本文を読まなくても選択肢を見ただけでこの問題が全部解けてしまった。

ありふれた日本家屋を撮っているのに異空間のような奇妙な映像、出演者の視線が常に宙を浮いている独特の芝居演出、鋭いカット割りや複雑な脚本や派手な音響効果で観客を振り回すのではなく、逆に観客を吸い込むような緩やかなテンポ、小津は尻フェチじゃないかと疑いたくなるほど低い位置にカメラを置く極端なローアングル、棒読みで台詞を読む笠智衆と佐分利信、、といった具合に、小津は極めて「異常」な映画を撮る。

とにかく小津映画は、ハリウッド映画のように観た後で「面白かったね」「うん」と単純な感想ですまされるスカッとしたタイプの映画ではなく、謎が多く解釈が多様な、一緒に見た人と酒場に行って何時間でも語り合わずにはおけない映画なのだ。小津の無口な映像は、観客を饒舌にさせる。
そんな小津体験を1度でもしていたら、センターの問題は強い共感をもって解けるのである。

私は高校時代、勉強なんか全然しないで小津黒澤をはじめとする古い日本映画ばかり見ていた。自分は異端のアウトサイダー、しかも才能のない情けないアウトサイダーだと自分を規定していた。





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Last updated  2005/09/16 02:51:50 PM


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