かぷかぷの道

2008年01月30日
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カテゴリ: 海外旅行



 ベトナム戦争が終結しました。

 この日、何百年という侵略の歴史にベトナム人自身の力でピリオドを打ったのです。
 私たちが訪れた2005年は、ベトナム戦争の終戦30周年に当たります。



 ★1月30日 ベトナム戦争の足跡をたどる★

 ホーチミンのファングーラオ通りには世界中のバックパッカーが集まります。
 薄暗い安宿、小さな飲食店、インターネットカフェなどがごちゃごちゃと立ち並び、
 物売りとシクロ(自転車と人力車を合わせたような乗り物)の客引きの声で
 ザワザワしているこの通りには、観光客相手のツアー会社が沢山あります。

 私たちは到着初日に下見に訪れ、
 翌日のTNKトラベルの「クチトンネル半日ツアー」
 に参加することにしました。
 値段は一人4$+クチの入場料65000VND(約400円)。

 英語のガイドだったため、約30人の参加者の中で
 日本人は私たちだけ。(欧米人の若者が多かったです)
 ベトナム人のガイドさんは、
 終始、流暢な英語で力説するように説明してくれました。

 ・・・英語喋れるのかって?
 いや、全然わかんないんですよ(笑)
 でもね、日本語ガイドはなんと14$もするんです!
 高すぎる!!

 結局英語の理解度は20%くらいでしたが、
 ベトナムの人の戦争への想いは120%伝わってきました!




 クチはベトナム戦争当時、解放戦線の拠点がおかれた激戦の地でした。

 クチには、強大なアメリカの軍事力に対抗するため、
 地下トンネルが縦横無尽に張り巡らされていました。
 その長さは200kmにおよび、内部には会議室や台所などもあります。
 アメリカ軍の度重なる空爆や枯葉剤に対し、
 解放戦力はこの地下トンネルに拠点を置きゲリラ戦を続けたのです。

 クチトンネルは一つの観光名所になっており、
 多くの欧米人が戦争の悲惨さを感じている様子でした。



 敷地内にはベトナム人が仕掛けた落とし穴が展示してあったり、
 ソ連製のライフルを“試射”できる場所があったり、

 “戦争”を風化させないための役割を担っていました。

 ガイドさんが足元の落ち葉をよけると、ぽっかりと小さい穴が開いていました。
 地下トンネルの出入り口です。
 私のお尻がやっと通るくらいの小さな穴。
 当時のベトナム人男性がどれほど細くて小柄だったのか。


 ちなみに、大柄な欧米人中心のツアー参加者の中でこの穴に入れる人はほとんどいません。
 幸い私は「小柄な日本人」ということでこの穴に入れさせてもらえました。
 貴重な体験だったと思います。
 深さは150センチくらいでしょうか。
 体をなんとか回転させられるほどのごく小さなお部屋になっており、
 奥に細いトンネルが続いているのが見えました。



 その後、参加者全員で別の大きな入り口からトンネルの一部に入ります。
 腹ばいにならなければ通れないほどのトンネルの中に入ると、
 暑さと息苦しさと、何よりも狭さが全ての人に迫ります。

 トンネルの中に残っているであろう、当時のベトナム人「想い」が乗り移ったのでしょうか。
 私は、すっかり恐怖に陥ってしまいました。
 身動きのとれない不安、頭の上にいるであろう敵に殺されてしまうかもしれない恐怖。

 それでも彼らは祖国を守る為、強い意志を持って戦い抜いたのでしょう。
 何年も続いていた苦しい戦いを少しでも感じることができました。


帰り、私達はホーチミン市内にある戦争証跡博物館
の前でツアーバスを下ろしてもらいました。

入館料は10000VND(70円)。
実際に使われた戦闘機や爆弾のほか、
大量の枯葉剤による被害やナパーム弾など、
残虐な兵器の傷跡が展示されています。

実物の兵器、写真や標本など、
目を覆いたくなる、辛い展示物ばかり。

特に日本人写真家の石川文洋さんや
沢田教一さんによる戦時下の民衆の写真は、
同じ日本人として胸がつぶれる想いでした。


 戦争終結から、たった30年しか経っていないのです。

 華やかなアジアンブームの舞台裏に残る暗い戦争の傷跡はまだまだ色褪せることなく、
 私たちに戦争の悲惨さを訴えていました。
 そして自分達の手で自由を手にしたベトナムの人達は、
 豊かでなくても明るくて強く、人に優しかったです。

                                        続く・・・






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最終更新日  2008年02月13日 18時30分52秒
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