Laub🍃

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2011.07.08
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カテゴリ: ●新書
「ジェイコブズ対モーゼス」。この本で記されている実際に起こった闘いは、昔ながらの町並みVS高速道路であるとも言える。
 著者アンソニー氏はジェイコブズの活動を認めている。彼女が守り、高速道路とは違った形で発展させようとしている街に好意の目を向けている。
 特に議題となっているのは、ワシントンスクエアという公園を道路から守ることだ。
 彼によってニューヨーク市の「ペンキ塗装、70マイルものフェンス、遊歩道、乗馬専用路、水飲み場数百か所、休憩所、テニスコート、ゴルフコース、新しい運動場」が整備され「樹木は刈り込まれ、雑草は抜かれ、銅像は磨かれた」ことで、誰もが感服したという。
 モーゼスは、徹底的に合理的な政策を目指した。ゴーワナスのように高くそびえたち、ルート沿いの建物の窓をがたつかせ、街路を暗くし、近隣を交配させ、商店を閉じさせ、犯罪の温床を作るような場所を作らない為、彼は、何かしらの痛みは必ず伴うものとしてーある程度の住民が移転を余儀なくされるようなー政策を続けた。
「建て込んだ大都会での話なら、前に進むには大鉈が必要なのだ」と彼は言ったという。
 住宅事業に取り掛かった彼はスポンサーによる声から、白人限定にし、低所得層の人々を追い出したことを皮切りに、一部の人たちにしわ寄せが行くシステムを次々と打ち出していった。
 商業的 文化的に開拓すべく、各都市の数百年にわたるそれぞれの歴史を、既成の地域を打ち壊す時などは、その地域が手の打ちようのないスラムであると認識させるためモダニズム運動を取り込んだという。超過密の都会の町並みより、少数の高層建物に置き換えるべきだと主張したのだ。しかし、その結果は少数の成功例以外は、大区画に似たような建物ばかりが続く、冷たく不快な周辺環境で、都市生活の基礎的機能さえも阻害するものだった。イーストハーレムでそれを目にした彼は 、精緻な建物細部への関心を失い、少しずつ「新規アパートの件数」のみを気にするようになっていった。交通の円滑な流れだけを目的とされ、より多くの住宅を建てるために、結果プロジェクトが実際に機能するかどうかに気を配らなくなっていってしまったのだ。

 住宅郊外化と彼の作った道路網によって、人々の動きも変わった。また、そこに住む人々の層も変わっていった。ある球団本部もそれによって急速に寂れていった為、都市計画として移転を望んだが、モーゼスと移転地についてもめた結果、別の都市に移ることになったという。
 この都市ではモーゼス以外の人間が町に対し行えることは、逃げ出すか追従するかといった二択になってしまったのだ。





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最終更新日  2016.10.13 06:56:33
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