Laub🍃

Laub🍃

2012.11.03
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カテゴリ: .1次小
王子は、昔から嫌なことがあっても困難に直面したと思わないようにしていた。
敵に遭遇しても攻撃されても、その相手を倒すべきと思わないようにしていた。
悪口を言われたら受け流せばいい。忘れればいい。はっきりした忠告助言以外のトゲ、悪意あるそれらは聞いても、口に含みはしても吸収をしないように気にしなければ何にもならないと思うようにしていた。
難しい問題はむしろ楽しめる、燃えるじゃないかとも思うことで、幼い頃の王子はある種無敵でさえあった。
 悪意を受けても悪意が湧いても絶対に人にぶつけない。でも持ち続けるのは辛いから見ないふりか飲み込むかをしよう。たまに炎が入ってきてくれた時だけ心のくずかごを燃え上がらせよう。

 そう思う彼の心はメッキで覆われたようにつるつるきらきらとしていて、周囲の人には可愛がられた。

 怒らず笑って、公平に、マイペースに、15歳まではその世界の中で彼は幸福だった。

 けれど、16になったある日彼は幸福な世界の外……いや、幸福な世界の裏側を直視する。
 それはある優しい繊細な少女を、何気ない一言で傷付けてしまったことがきっかけだった。

「僕の生き方は、他の人を傷付けても気付けないことの多い鈍感な生き方ではないか。悪意…憎まずにはいられないが、忠告をすることもできない人のもやもやした気持ちを無視してしまっていないか。下手すると、アドバイスや普通の会話のつもりで、僕にとって平気な毒を、他の人に押し付けてしまっていないか」


「駄目だ、全てを受け容れていては考えていては壊れてしまう」
「当たり前の切り捨てを、当たり前より少し心の広いキリステを、誰か教えてくれ。導いてくれ。捌いてくれ。裁いてくれ。」





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最終更新日  2017.04.01 03:22:31
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