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友達だ、仲間だ、助けたいんだ!!
でも時間が無い!!
このままだと、気配を感じた者が来て、見つかって捕らわれたら、
ご主人様を助けられない。
仕方なく、部屋を出て行こうとした時に、
ガラスドアの向こうのボイラーの様子が見えた。
既に爆発して、ボイラーの少し吹き飛んだ跡があった。
音がしなかったのに?
じゃ大きな動物はどこに? どこにもいない。。。
死んじゃったの?
それとも、もともといなかったのか‥
わかんない。。。
心を引き摺られるようにして、
私は、その部屋を出て、さらに捜索を続けた。
お屋敷の住人に、見つからないように注意を払いながら。
そして、あるところで、ご主人様と連れの靴を見つけた。
咄嗟に、 これを持ち帰らないと
、と思う。
ただの靴なのに、何故かとっても大切なものに感じた。
やはり、釜の中のようなところに置かれてあったので、このままでは焼却されてしまう。
そう感じた私は、すぐさま2足の靴をそこから取り出した。
その靴を取り出したところで、
屋敷の住人達(使用人?)が見回りに近づいて来た。
運良く、他の仲間もそこに合流するように、やってきたので、
うまく隠してくれるように合図して、なんとか屋敷の玄関から出て、
外にいた使用人の目をくらまして、屋敷の外に行くことができた。
この時の使用人も、なんだか人間に似てるけど、人間じゃない。
ファンタジーの世界の住人のようだった。
私達は、 さあ、逃げるんだ!!
と、仲間と一緒に走り出す。
きっと屋敷の住人が、もう気付いて追ってくるはずだ、とも思った。
抱えていた2足の靴が、いつのまにか卵に変わっていた。
その卵は、ご主人様だけれど、お父さんと、(たぶん)お母さん。
夢の中では、お父さんは主人に被る、お母さんは私っぽい。
でも、卵を抱えて逃げているのも私。
お父さんは、主人のイメージと、似通っているが違う人。
何なんだ?
もう少し、あと少しで逃げ切れるという所に、
かつて、助けてあげた少年とその仲間が、そこにいた。
境界線みたいに、安全な場所のその手前に。
以前、心を病んでいた少年は、
我々のリーダーであるお父さんに励まされ、愛をもらって、
ようやくそこまで来れたという設定。
が、その手前で挫けてしまった少年、
あと少しなのに、安らかな地に入れないでいた。
「俺なんか、ダメだ。。。」
彼の心の声がそう言って、そこから先に進むのを拒んで、
その場に留まっていた。
その彼とその仲間。
逃げてきた私達は、その彼と仲間に、2つの卵、命を託した。
きっと、お父さんもそれを望んでる、そう思ったから。
卵と共に少年が、今度こそ境界線の向こう側、
幸せの地に行ってくれると信じたから。
お母さんの卵、命は、彼の仲間のひとりが受け取ったらしい。
よし、大丈夫だ。
そして、おとうさんの卵は、彼に‥ でも‥
彼は‥ ちゃんと受け取ってくれなかった。
卵を落としたのだ。
「えっ! 卵にヒビが!!」
ゆで卵を剥く時のような、ヒビが卵に入って殻が少し取れ、
固まった白身が少し見えている。。。
でも、きっと大丈夫。
このくらいなら、なんともないさ。
そう無理やりに自分に思いこませて、彼に落ちていた卵を渡した。
が、
なんと彼は、片手で卵を縦に持ち、指の力で卵を潰し始めたのだ。
卵は、こんにゃくのような弾力があって、
水が、卵の水分が割れた殻から噴出した。
えっ!!
なんで?
どうして??
それ、お父さんよ!!
心の声なのか、本当に叫んだのか、わからないほど動揺した。
必死に叫んでいた私の声は、少年に届かない‥
全ての夢は、ここで終わった。
目が覚めてから、何ともいえない感情だけが残り、
なんで、こんな夢を見たんだろう‥? って考えてしまった。
願いは、人に託すものじゃない。
最後は、自分でやり遂げるものだ。
と、私の中の誰かが、答えたような気がした。
終わり
石が夢を見せる? その4 2009年03月01日 コメント(2)
石が夢を見せる? その3 2009年03月01日