りらっくママの日々

りらっくママの日々

2010年01月19日
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今日の日記




「ある女の話:カリナ78(側にいて1)」



平日だけど、結構人が座っていた。
私の隣は特に誰も座りそうになかったのでホッとした。

席に着くと、送ったメールを確認した。


  マッシー元気?
  いきなりだけど、会いたいです。
  明日そっちに行ってもいい?無理かな?
  少しでもいいから会う時間無いかな?

  カリナ


  ウソ?!こっち来てくれるの?
  嬉しい!
  予定は?
  私も会社休んじゃおうかな~!

  マッシー


バスの行き先のせいで、
マッシーの顔をどうしても見たくなってしまった。
いきなりだから、無理かと思っていたけど、
やっぱり会いたくて。

メールの返事がすぐ帰ってきたことで、
私は浮かれた。


  今バスに乗ったとこ。
  ほんと、バスだと安いね!
  そっちには朝の7時頃着くみたいだよ。
  着いたらまた電話するね!

  カリナ


  了解!楽しみ~!

  マッシー


バスの明かりが消えて、私は眠ることにした。
今だけでも全てを忘れたい。

もう疲れた。


時々止まるパーキングや、
バスの揺れで眠りが浅かった。
それでも、
ああ眠ってたんだなぁ~と思ったのは、到着地に着いてからだ。

「カリナぁ~!!!」

駅のロータリーで車から手を振るマッシーが見えた。
その笑顔に、私の顔も自然と笑顔になる。

マッシーの車の助手席に座ると、何だか緊張した。
久しぶりだからかもしれない。

でもマッシーは変わらず、
昨日も会ってたかのように言った。

「何かあった~?」

「ん~。何で?」

その調子に私も心がいつものように戻る。

「荷物それだけ?
会社帰りにブラリと来たって感じにしか見えないけど。」

私はマッシーの鋭さに誤魔化すように笑う。

「うん。実はそう。
こんな簡単に会えると思わなかったから。
メールの返事が来たから、すぐバスのチケット買って、
出発までに適当に必要な物だけ買ってさ。
あ、でもお土産は買ってきたよ!」

はい、コレ。って
紙袋を掲げる。
いつも行くメゾンのお菓子。
デパートの閉店ギリギリに買えた。

「ふぅ~ん、やるねぇ。
でもまあ、
貸せるものは貸すから、心配無い無い!
泊まれるんでしょ?」

「え?いいの?!」

マッシーは呆れたように笑った。
私も笑う。

「会社、カリナが大丈夫ならね。
ただ、私が明日はどーしても仕事行かなくちゃなんだよ~。
どうする?」

「マッシーがいいなら泊まる。
泊まりたい!」

「じゃあ決まりね。
どっか行く?このままうちに行く?」

「マッシーが普段行ってるとこに行きたいなぁ。」

マッシーの子供になったみたいに、つい口調が甘える。

「じゃあ、あそこ寄ってみようかな。
海見る?」

「いいね~。」

途中でコンビニのオニギリを買って、
二人で車で食べた。

そこでお互いに会社に休みの連絡を入れた。

風邪ひいちゃって…とか何とか。
携帯の向こう側では、いつもの会社の風景があるんだと思うと、
何だか変な感じがした。

それからマッシーは、
しばらく車を上手に運転して、
海沿いのレストランの広い駐車場に車を止めた。

レストランのランチ営業までずいぶん時間があったので、
私たちは降りて砂浜を歩くことにした。
ガラス張りで海が眺められそうな感じの素敵な店で、
私はウキウキした。
フンパツしちゃおう!ってマッシーが言った意味がわかった。

「会社、大丈夫だった~?」

「うん。何か電話が遠いとかって言われて焦ったぁ~!」

「仮病って勘付いてるかも?」

「かもね~。」

私達は笑った。

私の方は、昨日、私の様子が変だったからか、
モリタさんは具合が悪いことをスンナリ受け入れて、
大丈夫?って心配そうな声を出した。
なので、ちょっと罪悪感で胸がチクチクした。

昨夜、母親にかけた電話より、
何だかもっと悪いことをした気分になった。
親には、休みが急に取れたから、
マッシーのとこに行くって言ったけど、
想像したよりも簡単に、
自由でいいわねぇ~って言われただけだった。

妹が同棲した時も、
その相手とデキちゃった結婚になった時も、
すごい騒ぎだったのに…。
親は、意外と免疫がついちゃっていたのかもしれない。

考えてみれば、
結局妹の時だって、
親は最後には味方になってたんだ。
私がただイイ子でいたくて、
親に甘えていたくて、
家に残っていただけで…。

青山くんに親のことを言い訳にしたことが蘇って、
何だか胸が痛かった。

週末にはプロポーズの返事をしなくちゃいけない。
連絡をしなければ、
それでバイバイ。

今までいっしょにいた時間は何だったんだろう?

ため息が出た。


「こっちの海ってキレイだね~」

「でしょ~?」

マッシーが笑う。

店内のガラス越しに見る景色は、
いい天気で、波に日の光がチカチカと反射した。
シーズンオフと時間のせいか、
人が遠くにカップルと犬の散歩をしているのが見えただけだった。
店内も私達の他に二組。

「マッシー、お見合いっぽい人とどうなった?」

私は自分の話をいきなり話せなくて、
マッシーに話をふった。

「ん~?」

マッシーはお肉を頬張っていたので、
しばらくそれを噛んで、飲み込んでから口を開いた。

「イイ人だね~。
イイヤツって言うのかなぁ~。」

マッシーの口調から、
その人とかなり仲良くなってる気がした。
それからマッシーはお水を飲んで、
肉を切りながら話を続ける。

「友達みたいになっちゃったって言うか、
私がそうしちゃったのかもしれないけど、
時々いっしょに出かけたりしてる。
まだ男と女の関係になってないから、
緊張感があって、
時々ときめいたりする。
でも…」

そこでマッシーは次の肉を頬張った。
言葉を選ぶようにお肉を見ながら噛んでいたので、
私もお肉をモグモグ噛みながら、
次の言葉を待った。

波がザンザン言ってるのが見える。

話を忘れられちゃいそうな間だったので、
続きを促した。

「でも?」

「もしも、私が…
タッチャンと付き合ってなかったら、
多分、ん~多分だけど、
もっと男としてのめり込んでた相手だと思う。
もしかすると、男としてもっと意識してたかも…。
けど、タッチャンのことを知ってるから、
タッチャンとの付き合いを思い出しちゃうから、
何だか一歩が踏み出せない。
うまいこと、かわしちゃう。」

私は少し驚いた。
マッシーの中では、まだスギモト先生が残っていたんだ…って。
二人が別れてずいぶん経ってたし、
いろんな男性との出会いもあったと思うし、
今日までマッシーがスギモト先生のことを口にすることなんてなかった。

「まだスギモト先生のこと…
好きなの?」

マッシーは、泣きそうな顔で笑った。
ん…まあ…
って、大人みたいな笑顔をしながら、
私から目を逸らした。

「出会う順番ってあるかもね…」

私は言ってパンをちぎった。

「最初にイイ出会いしちゃうとダメだね。
どうも比べちゃう。」

「失くしたから…ってことは無いの?」

「カリナはどう?」

「ん~、今のとこ無い。
でも…」

私はパンを一口食べて、考えながら飲み込んで言った。

「青山くんを失くしたら、
同じように思うかもしれない。」

マッシーは、ちょっと笑顔を見せた。

「青山くんが結婚しようって言うんだよ。」

私が言うと、マッシーが嬉しそうに、感慨深そうに言った。

「そっかー、いよいよかぁ~。
おめでと~。」

私は、言っていいか考える。
自分の本音を。

「どした…?
何でそこで黙るの?」

「失くしたく無い人がいるのに、
他の人に惹かれることってある?」




前の話を読む

続きはまた明日

目次





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最終更新日  2010年01月19日 21時13分14秒
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