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この本の面白いところは、ボブ・ホワイティングがニック・ザベッティの目を通して描き出す日本社会の本質だろう。政治、経済、社会組織がニックの世界から明らかにされている。
そんな中日本人に帰化したニックが最後まで外人としてその恩恵と差別を受け続ける。彼の経営するレストランの経営権を奪い取る某タクシー会社の経営方針と戦後日本企業の多くが「和魂洋才」という名のもとに繰り返し続けられた「利点をできるだけ早く吸収して、与える価値のなくなったものはごみのように捨てる」経営方針がここで描き出されている。
ウォーターゲートで失脚したカルフォルニア出身のリチャードニクソンは同じカルフォルニアに基盤を持つロッキードを使い、戦後日本で彗星のごとく現れた日本政治のスーパーエンジンである田中角栄と政治とその資金の流れにおいて運命共同隊を構築することにある。
結果は歴史の教科書に書かれている通りだがその裏に両国の保守本流の力が動いていたとはこの本以外にはあまり書かれていないだろう。
ロックフェラーや日本の財閥には「アンシャンレジーム」を超える戦後の新興勢力が牛耳る社会は受け入れがたかったのだ。
最後にこの本で描き出されるいくつかの社会構造上のカラクリの中で日本の政治とゼネコンとの関係を表すわかりやすい数字があったので紹介しておこう。
最近ではゼネコン業界の改善も進んでいるらしいが、本著が書かれた時点でのアメリカと日本の建設業界に対するGNP比率の差は日本がアメリカの32倍だそうだ。このあたりはまた後日別な視点で書いてみよう。
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