エッセーのすすめ

エッセーのすすめ

2004年04月22日
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お師匠さんが聞いてきた。

「あんた、一億円の水、飲んだことあるかい?」

「あるわけないでしょう!そもそも、そんな水が存在

するんですか?」

「この水を飲んでから、おいらは成功街道まっしぐらだ。」

「飲んでみたいですけど、ちょっと怪しいですね。

興味津々ですが(笑)。どこに売ってるんですか?」

「あれはいつの頃だったかなー。

 今から大分、前の話になるな。



「あー知ってますよ。それ、スポ根もののセミナーでしょ?

よくやってるじゃないですか。お師匠さん、あんなの受けた

のですか?以外ですね。でも一週間もすればもとに戻る

でしょう。そういう話よく聞きますよ。」

「なぜ、地獄の特訓っていうと思う?」

「えっ、そういうネーミングじゃないんですか?

 客寄せの。」

「死人が出たんだよ。実際に。」

「・・・」

「今ではカリキュラムを大きく変えてる。おいらのときは言

 葉にならないくらい、過酷だった。思い出したくないくら



とかね。道に迷ったから実際は40キロは走ってるよ。

そのなかでも一番きつかったのが桜の木にむかって叫ぶや

つ。」

「叫ぶ?」

「そう、真夏の炎天下、延々とただ、叫び続ける。



鬼の指導官がいて、そいつに認められないと合格しない。

芝居は一切、通用しない。

最終日にそのテストがある。それに合格しないとまた、始め

からやり直し。精神的にも肉体的にも限界のときにふらふら

になりながらただひたすら叫ぶ。指導官は美味しそうな氷水

のやかんを持ってまわってる。」

今日のお師匠さんはマジだ。いつになく。

「水を飲める方法は二つ。リタイヤか合格するかだ。

鬼はなかなか、合格させない。みんなふらふらで意識なんて

とんでる。発狂寸前だよ。もうやけくそだ。みんな死ね死ね

俺も死ぬ!おまえも死ね鬼軍曹!!全細胞から心の叫びを

爆発させた。きがつくと、おいしそうな水がコップに用意

されていた。泣きながら飲んだよ。本当に。生まれて初めて

そして、最後の体験だろうなー。泣きながら水を飲むのは。

本当に有り難かった。一番大切なことに気付かせてもらった

よ。足るを知った。もう、すでに豊かさを手にしてるって。

そのときにもう成功してたんだよ。俺は。きっとね。

今もあのときと心の状態は変わってない。今でもね。」

「ありがとうございます。」

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感謝を極めて、感極まる。

感極まって、感謝極まる。

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最終更新日  2004年04月24日 21時42分36秒
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