「入国審査」も終え、「天国の門」をくぐった「神様」と「お歯黒女官」・・・・・
「神様」は何度も来ているのですが、「お歯黒女官」は初めての訪問で、作者が都会に行くといろんなものが珍しく・・・・あちこちキョロキョロするのと同じで、彼女も完全に「お登りさん」になりきっていました。
「やっぱり天国ですねえ・・・・空気からして違いますもんねえ・・・ほら薔薇の香りがしてますわよ?」
「薔薇の香りではない・・・・・蓮の花の香りじゃ・・・釈迦が育てておるんじゃ」
「あら・・・蓮でしたの?・・・・そりゃ失礼致しました。・・・ホホホホh・・・」
」・・・何か光るものが見えます。
「なんじゃ?・・・マロの目の錯覚か?・・・お前の口元に何か光っておるぞ?」
「お歯黒女官」がその手をどけると・・・・いつもより丁寧に塗られた「お歯黒」の中に一本だけ金色に光るものが・・・
「じつは先日・・・・テレビを見ておりましたら江戸城から西の方角にある部落で・・・渋谷?でしたかしら?・・・・指の爪に絵を描いている女性(にょしょう)がおりまして・・・・”アラかわいい”・・・そう思いましたものですから・・・・わたくしも、お歯黒に一本だけ金色を混ぜてみましたの・・・・」
黒光りする中に一本だけ金色・・・・神様にはとても美しいものとは思えませんでしたが、「お歯黒女官」は、生まれた始めてきた天国・・・・目いっぱいのおしゃれのつもりだったのでしょう。
「どうせなら、何か模様でも書いて来ればいいのに・・・・」
「そう思ったんでございますけど、鏡を見ながら絵を描くというのもなかなか面倒でございまして・・・いえ・・・最初は描いていたんでございますよ・・・・でも失敗したから・・・時間もないし・・・しょうがなくて金色に・・・・」
「まあ良い・・・・たまには変わっていて・・・お前にも似合っている様じゃ」
「神様」も雇用関係を円滑に進めるため、「従業員」にもたまには「お世辞」を言わなければなりません。
「神様」にほめられたと思った彼女は・・・ニコニコしながらまた、あちこち眺め回しますが・・・・
「ところで神様・・・・わたくしたち・・・・これからどちらへ向かうのでございますか?」
「そりゃお前が決めればいい・・・マロはお前が来たいというから来たんじゃ」
「あら・・・あたくしのせいでごじゃりますか?・・・・神様も行こうとおっしゃったじゃありませんか?」
「マロはただ、暑さから逃れればいいと思っておったからのう・・・そうじゃのう・・・どちらへ行こうか?」
「南へ向かうと暑くなりそうな気がしますから、どうでしょう・・・北へ向かわれては?」
「天国は気温は一定しておるのじゃぞ?・・・どこへ行っても同じじゃ・・・・それコトワザにも申しておるではないか・・・・”暑さ寒さも彼岸まで”・・・・彼岸とは”三途の川の彼の岸”・・・・つまり向こう岸という意味でな?・・・・ジャからこちら天国では暑さも寒さも感じないことになっておる。」
「だからイメージでございますよ・・・・なんとなく北へ向かうと涼しくなるような・・・・」
「まあどちらでも良いが、北の方角じゃと”天帝様”もいらっしゃる・・・ご機嫌伺いで、天帝様の城へ行くのも悪くないのう・・・・」
「神様」は自分の顎の下を撫でながらそう言うのでした。
ここで少しだけ・・・「天帝様」のことをご説明しましょう。
「天帝様」というのは個人のお名前ではありません。
「神様連絡協議会」が作られたときに付けられた役職名で、それ相応の力量を持った方が「天帝様」に立候補し・・・選挙で選ばれることになっています。
歴代の「天帝様」としては、ギリシャ代表の「ゼウス様」とか、エジプト代表の「太陽神ラー様」・・・それにユダヤ教代表の「エホバ様」がいらっしゃいましたが、「エホバ様」の場合、その摂政になった「神の子イエス」が、神より力をつけてしまったので・・・これではまずいと一期20年で辞めてしまったのです。
日本代表「天照大神様」が「天帝様」になったときも、問題がありました。
それまで「天帝様」は男神がなるものと、暗黙のうちの了解があったのですが・・・このとき初めて女神である「天照大神」が「天帝様」になったわけです。
このとき、天国内では「男女同権運動」が盛んになり、大騒ぎになったのですが・・・ギリシャ代表「ゼウス様」の奥様・・「ヘラ様」が「女神=天帝反対論者」の急先鋒であった「ゼウス様」を徹底的に押さえて下さったそうです。
ちなみにこのときの恩に報いようと・・・・「天照大神」はわが国のコトワザの中に「ひとつ年上の女房は金のわらじを履いてでも探せ」という一項目を付け加えました。
どうやら「ヘラ様」は「ゼウス様」よりひとつ年上だったようで・・・・・
もうひとつちなみに・・・・青森県では方言の中で、年上女房のことを「ヘラ」といいます。
きっと、これもギリシャ神話の「ヘラ様」のことじゃないかと・・・作者は思うのです。
あ、信じないでくださいよ・・・・・「講談師・・・見てきたような嘘をつく」って言いますけど・・・・私もその類ですから・・・・
もひとつちなみに・・・「作者は講談師ではありません」
でも・・・好男子だからいいか!(これも信じるなよ!)
さて・・・・まだ旅を始めないうちから第3話までいっちゃったけど・・・・この次は旅を進めますから勘弁ね・・・・で続く
HirokochanさんCalendar
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