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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今日の話は暴力的内容を多く含みます。苦手な方は読まないようにして下さい。
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トラブスはアリアン旅館の一室で腕組みをして立っていた。グレイのチュニック、青鼠色のベルト、こげ茶のパンツ。部屋のテーブルにはピンクと金色の装飾がされたランプがある。
「こんにちは。」
「君は見るからに冒険者という感じだね。ここに来るということはもうアサスやコジに何か学んだのかな?」
今回の称号を授ける人はかなり明るい人みたい。人なつこそうな笑顔で尋ねてきた。アサスやコジのような陰は持たず、冒険者だったという昔にすがって生きているような感じはなかった。
「その人達を知っているんですか?」
「ああ。もちろん。彼らが認め、教えたとしたら、かなり能力のある冒険者ということだ。では次には地図製作の道具が必要になる、そうでしょ?」
なるほど、次は自分で地図を作れるようになれということか。
「はい。お願いします。」
「このペンは毛が均一で水の中でも字が書けるんだ。すごいでしょ?特殊な木で作られたこの紙は、しわは寄っても絶対に破れることはない。そしてこの上着は、冷たい風を防ぎ、熱は放散し、水にぶかぶか浮かぶことが出来る。どう?いいでしょ?」
「そうですね。とても便利そうです。」
そう言いつつも、水の中で字を書いたりすることってあるのかな?と不思議に思った。
「実は今持っているのは見本なんだ。材料が足りないから持って来てくれないかな?そうしたらすぐにこのセットを作ってあげる。」
「はい。やってみます。」
材料として指定された鷲戦士の羽も、ティンバーマンの体(紙の材料なので木の皮と枝を採取した)もたやすく手に入った。
問題は野生茶色熊の皮。古代ヴァンパイアの時のことを反省し、あらかじめ方法を調べ、専用の道具を用意していたが、皮を剥ぐのはとても苦労した。
まず、うつぶせになっている熊を、仰向けに寝かせかえた。最初に首の皮がだぶついたところにマキリという小刀を入れる。このマキリは毛皮を剥ぐ際に毛皮を突き抜く恐れがあるので、刃先が少し鈍っているものがいい。
最初に入れた切り口から血が滴り、ヘムクロス高原の痩せた土に染み込んでいく。
比翼が心配そうに覗き込んできた。
「大丈夫、ちゃんとやれるよ。」
本当は血と獣の臭いで目まいがしていたのだけれど、甘えてばかりだった自分に決別するのにいい儀式に違いない。ちゃんと1人でやり遂げなければ・・・。
必要なのはチョッキとして使う部分だけ。首の周りに慎重に刃を入れていき、肩口の部分まで一気に切り裂いた。このときあまりマキリを深く入れず、毛皮部分だけを切って行くことに注意した。肩から弧を描くようにして脇の下、脇腹へと刃を進め、腹部へ。充分に成長した熊のため、腹の皮の下には相当厚い脂肪がついている。なるべく脂肪を皮につけないようにして剥いでいった。
最初は咳き込みかけた熊の獣特有の臭気も、血まみれの体から立ち昇る鉄の匂いも、そのうち気にならなくなってきた。
マキリはある程度使用すると切れなくなるので、ひんぱんに研がねばならない。剥ぐときはマキリの刃の丸くなっている腹の部分を有効に使って、刃物が表側の皮を突き破らないように配慮しながらこの作業を続けていった。
前身頃が完成ところで一旦休憩を取り、後ろ身頃を同じ手順で切っていった。脂肪が腹よりも少ない分やり易く、また作業自体に慣れたのでさきほどの半分くらいの時間で終える事が出来た。
朝から解体を始めていたのに、全て終わったときにはあたりはすっかり暗くなっていた。マキリから手を離すと、力をずっと入れていたので腕から先が細かく痙攣している。
「よく、頑張ったね。はい、お茶入れたから、ちょっと休もう。」
連理がいつの間にか火を起こし、飲み物を用意してくれていた。甘酸っぱい香り、柚子茶だ。日が落ちて気温が一気に落ちて寒くなっていたので、この甘く温かいお茶は喉から胃からじんわりと体全体に広がり、喩えようのない幸福感で私を包んでくれた。
「今日はこのへんにして、家に帰ろうぜ。」
「うん。」
ありがとう、傍にいてくれて。本当にありがとう。
次の日の朝、トラブスに指示を仰ぐとブリッジヘッドのジャック・ハンマの元へ材料を持っていくように言われた。
温暖な街で彼はにこやかに立っていた。船乗りのように赤いバンダナで頭を多い、同じ色のスカーフをしている。
「OK、その材料を加工するから、ちょっと時間を潰してきてよ。」
港町ブリッジヘッドはいつも活気に満ち溢れ、様々な店が目を楽しませ、飽きる事がない。クエの仕上げをしに、そしてマスターの称号を受けにロマ村に帰るので、親戚と両親へのお土産を見繕い昼過ぎに彼の元に戻った。
「おかえり。出来てるよ。これを持ってトラブスの所へ行くといい。使い方を教えてくれるから。」
水の中でも使えるという地図製作用特殊ペン、防寒・防熱・防水・水に浮かぶ特性茶色熊の皮チョッキ、決して破れない地図製作用特殊用紙。すべての説明を受けてトラブスのところを後にした。
ロマ村に着くとすぐ、モンスター鑑別士レベル4と5を授けるベシル先生、カレン先生という、二人の恩師に会いに行った。
「プッチニア!今まで何をしていたの!!」
「心配したんだぞ・・・。」
強くなるために村を出たこと、そして今はマスタークエストを受けに来ていて、あとはモンスター鑑別士だけだという事を告げると、彼らは同時に呆けたように口を開けて固まった。
「あの・・・。講義をお願いしたいんですけど・・・。」
「はあ、まあ・・・。」
「時間かかるけど・・・いい・・・かな?」
「はい!」
二人の話を聞いた後にはすっかり日も暮れていた。
これでマスタークエストに必要な称号、すべてが揃った。
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つづき
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