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1. 新開発の超音波ハンドピースは確かに出来が良い。
贅沢な6クリスタルなのが効いていて、思ったとおりの滑らかな溝がシャリシャリ掘れるので手術のストレスが少ない。この点、溝堀り能力では抜群の日本アルコン社のインフィニティとほぼ同格と感じる。
2. 溝堀後のセグメントモードだが、ハイドロダイセクションがしっかり回ってかつ2分割がきちんと出来ており、チン氏帯が普通ならばという前提付きだが、とにかくセールス文句通りのパフォーマンスで目を見張る。ベンチュリーならではの吸引力・水晶体核の保持力は驚異的であり、今のところ4分割して核処理をしているものの、実際には2分割さえ出来ていればUStipを前房のセイフティーゾーンにのんびりと置いているだけで魔法のように処理してくれる。
3. またその前房の安定性も掛け値なしに凄い。フットペダルを自信と確信を持って踏み込める感じで、ステーブル・チャンバー・チューブ・システムの威力をまざまざと感じる。極めて安全な手術を行える感じで、嬉しくて術中に「思わず笑みがこぼれる」ほどである。
4. IAでも特に違和感は感じない。アボット社のシグネイチャーのペリスタポンプでのIAの精度には叶わないと思うが、合格点のレベルには達している。
5. 逆に欠点としては、この間の福岡でのJSCRS2011でも指摘されていた通り、術中にエアバブルは確かによく発生する。これは率直に言ってかなり邪魔で手術のストレスになる。
6. 売りのステーブル・チャンバー・チューブ・システムだが、一日に5例くらい連続で手術をすると、やはり詰まってしまうことがあるようである。
実際のデモ中でも連続4例くらいが限界かな?と言う感覚があった。詰まると手術効率が急激に落ちるとの事で、危険でもあるしコストがかさむという問題もある。
7. 私も含めペリスタマシーンに慣れている術者が多いので、完全ベンチュリーマシンのこのステラリスに対応するには、気を使わなければならない点がいくつかある。具体的にはハイドロと核の2分割を確実に行うことが必須条件であり、手術の基本手技能力に対してはシビアなマシーンである。
8. まとめると、そのステーブル・チャンバー・チューブ・システムは確かに素晴らしい。圧倒的な吸引力と前房の安定性は、「これこそ次世代のマシーンだ」と素直に実感させられる。その一方でいくつかの欠点もあり、現段階ではまだ評価しきれないと感じている。
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