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「難症例に対する白内障手術」という教育セミナーです。白内障手術というのはテレビでいわゆる「スーパードクター」が盛んに取り上げられる影響等もあり、「簡単・安全ですぐに済む手術」と認識されがちですが、散瞳不良(瞳が薬で広がらない)、浅前房(手術をするスペースが狭い)、過熟白内障(進行が激しい)、チン氏帯脆弱(水晶体をつないでいる筋肉が弱い)など、安全に合併症無く無傷で切り抜けることが至難の業という方も一定の確率でいらっしゃいます。
我々白内障手術専門医はそういったピンチの時にこそ本来の実力が試されるわけで、だからこそ毎日毎日様々な勉強を続けているのです。
そういった意味からこの 「難症例に対する白内障手術」 という教育セミナーは、毎年の眼科手術学会の恒例の人気セミナーになっています。今日はここで勉強になったことを自分用のメモ書きとして書いておきます。
開瞼器(まぶたを開く器械)を開きすぎると、眼を閉じようとする力でかえって硝子体圧が上がって浅前房になることがあるので、必要な術野を確保できる範囲で程々にすべき。
硝子体の液化が高度な場合は、術中のBSSが前房内と硝子体内を行き来するため深前房(いわゆる逆瞳孔ブロック)と浅前房を繰り返す。この場合はボトルを下げることで対処する。
グレード5に迫るような極端な過熟白内障では、確実に核を分割できる「クレーターDivide&Conquer」法がお勧めである。(→ちなみに私は基本的に全ての手術をこのクレーターD&C法で施行しています。少し時間はかかりますが、極めて成功率と安全性が高い手技だからです。)
角膜径の10%以上を占める翼状片は術後の乱視度数・球面度数に影響するので術前の切除が望ましい。
今年も非常に勉強になるセミナーでした。(続く)
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