PR
カレンダー
キーワードサーチ
お弁当の内容は、
エビフライ、ハンバーグ、ナポリタン、ポテトサラダなど、ハイカラな港町横浜らしい小粋な洋食でとっても美味しかったです。
さて、ベーチェット病というのは「ぶどう膜炎」というジャンルの病気の一つです。このぶどう膜炎というのは、
このベーチェット病、トルコと同じ緯度のシルクロード沿いに多く(そのため、別名シルクロード病)、日本にも多くの患者様がいらっしゃいます。しばらく前には人気グループのEXILEのメンバーの方がこの病気であることを告白して大きな話題にもなりました。
口の中の潰瘍、皮膚の炎症症状、外陰部の潰瘍、そして急性症状を繰り返しながら悪化していく目のぶどう膜炎症状の4つが主症状なのですが、予後不良なことが多く以前から恐れられてきました。1970年代には我が国のぶどう膜炎原因疾患の第1位であり、必死に治療しても発病から5年以内に半数の患者様は視力が0.1以下になってしまうと言う状況でした。
その後1980年代の後半になって免疫抑制剤のシクロスポリンが導入されて治療成績はかなり良くなりましたが、重い副作用が生じる場合もあり相変わらず難治性の病気であり続けてきました。
ところが2007年になって世界に先駆けて、インフリキシマブ(抗TNF-αモノクローナル抗体)という新薬が日本で承認され、これが劇的に効くことからベーチェット病の治療は驚異的な進歩を遂げました。
今回のセミナーでは、近年劇長足の進歩を遂げたベーチェット病治療の最前線を勉強することが出来ました。
以前は、サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病が3大ぶどう膜炎と言われていたのですが、
治療法の画期的な進歩により、既にベーチェット病は3大ぶどう膜炎ではなくなったと言う事がデータと共に示されました。余談ですが、最近、上の表で6位のポスナー・シュロスマンにはサイトメガロウイルスというウイルスが関係しているらしいことが分かってきており、それも含めて3大ぶどう膜炎はベーチェット病の代わりに既に「ウイルス性ぶどう膜炎(ヒト単純ヘルペスウイルスHSV、水痘帯状疱疹ウイルスVZV、サイトメガロウイルスCMV)」が入賞したものと個人的には考えており、疫学の変化を強く意識しながら毎日の患者様の診療に当るように心掛けています。
次に画期的な新薬、インフリキシマブの症状改善率は92%にもなること、40~50%の患者様では眼発作が完全に消失した状態まで持ち込めること、ベーチェット病の病巣部位、重症度、罹患期間などに関わらず有効であること、副作用は30~50%に出るが、そのほとんどは発熱や皮膚症状等の軽度なものでポララミンやアレジオンなどの抗アレルギー薬でコントロール可能なことなどの説明がありました。
また、このインフリキシマブ、無効例や投与中の効果減弱例があることが知られていましたが、実はそのほとんどは「血中濃度の不足」によるもので、個別の患者様に合わせて投与間隔を短縮したり、薬剤を増量すれば、眼炎症を抑制していくことが可能であることが分かりやすい資料と共に提示されました。
私が研修医だったほんの10年近く前にはまだこのベーチェット病は非常に難しい病気で、実際に受け持った患者様の中には何度も重篤な目の発作を繰り返して結局失明されてしまった方もいました。私はその時の悔しさを思い出しながら、「ベーチェット病の治療は、ここまで来たんだなあ。」と感動し、セミナーを後にしました。(続く)
さよなら、US-4000。 2024.06.03
近視の進行を抑える魔法の方法を教えます。 2024.05.17
アレジオン眼瞼クリーム、実際に試してみ… 2024.05.14