型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2021.05.12
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カテゴリ: 今だから
自分の生きてきた道程を見直すと生まれてきた使命があって、
それからは逃れられず必ずそうなるという運命があると感じます。
識者の方には当たり前のことだと言われるかもしれません。
ただ生きている間に時代が進み、価値観が正反対に変わることもあります。

NHKのクラシック音楽館でストラヴィンスキーの没後50年の特集をしていた時、
指揮者の広上淳一氏がロシアバレエ団のディアギレフがストラヴィンスキーを見出し、
ストラヴィンスキーが日本に来た時に武満徹を賞賛したことから武満の今日があり、
ストラヴィンスキーがいなかったら武満は見出されなかったと話されていました。

武満の音楽はアカデミックな作曲家や批評家からは当時評価されておらず、

ストラヴィンスキーが認めたことによって皆が評価し始めたのです。
そのことで日本の現代音楽史が大きく変わったように思えます。

当時は音のうえで如実に日本を意識した現代音楽がたくさんあり、
自分としては構造的にクラシック音楽の流れを尊んだ音楽に傾倒し、
武満の音楽にさほど興味を持っていなかったのですが、
武満の響きや構造について熱心に真似る作曲家はたくさんいました。

その後は、留学経験のある作曲家や先生から大学で教わる現代音楽が主流となり、
フランス、ドイツ、アメリカ、イタリアなどの作曲家を追う風潮になりました。
今は海外で実績のある作曲家が日本で好感されていますが、
純粋に日本を起源として海外に出ていった音楽は現代音楽に限らず少ないと思われます。

例えばアニメは純粋に日本生まれのものを発信しているところが格別です。

海外文化を取り入れる社会貢献活動が盛んで、それに追随する習慣ができています。
その結果、リスペクトはされてもそれほど好まれていない形骸的な文化が形成されています。

最近はYouTubeやSNSなどの動画により日本文化のかたちが目に見えるようになりました。
反面、個性的なのと独創的なのは異なるものですが、その両方がきちんと検証されず、
人気や経済効果が指標となり嘗ての芸術文化を考える価値観ではなくなりました。


さて、広上氏はストラヴィンスキーの演奏は難しく得意ではないとも話されていましたが、
武満のことも彼の音楽を敬愛していたらこのエピソードを出しただろうかと邪推します。
ストラヴィンスキーと武満の音楽は聴いた印象も理論的にも似ても似つかぬものです。
ストラヴィンスキーが武満を取り立てるようなことは現代では稀有のことです。

今の時代にストラヴィンスキーに代わる影響力のある人はいないと思われます。
また、ストラヴィンスキーに代わる人がいてもその発言に靡く人は少ないでしょう。
この時は、ストラヴィンスキーの言葉によって武満を賞賛する人がたくさん増え、
他の作曲家との内容の違いが若手作曲家や聴衆の興味の的となりました。

良い意味で競っていた現代音楽界で勉強になる作品はたくさんありました。
それでも武満の世界を印象的に作り上げた代表作がこれまで頻繁に演奏された記憶はなく、
今日は映画音楽や歌などの調性的な作品が好んで演奏されるようになりました。
海外で周知されている武満の現代作品ですが、まだまだ日本人が発信するべきだと思います。

今、何がさまざまな物事が乱立する中、洗練された個性、真の独創性とは何か、
単に海外の受け売りではなく、一時的な人気や売れゆきでもなく、
正格な真理、本来あるべき姿に導く人、すなわちストラヴィンスキーがいないのです。
大きな声で自論を言う人はたくさんいますが正しいとは限りません。

コロナ禍の終息に向かう方法はもはや結局集団免疫をつけることしかないのでしょう。
一時的に人流を抑えて感染者数を抑えてきたことで波が何回もきてしまい、
結局人口の半数くらいの人が感染するかワクチンを打たない限り終わりません。
この騒動が人が納得しなければ収束しないと考えると、手段はワクチンだと思います。

オリンピックについて反対意見が多いですが、よく話を聴くと問題性は感じません。
まず従来の検査をして来日する選手・関係者がさらにワクチンを打ちます。
それでも陽性者が出た場合は、国際的な大きな話題になり原因が究明されます。
また、動線を一般人とは分ければ日本での感染拡大との関連性はありません。

世の中で言われる物事を考える視点や手順の作られ方がおかしいと感じています。
前にも書きましたが、人々が本当に怖い感染症だと思えば人流は勝手に減ります。
オリンピックにかけてきた人たちのコロナ対策はきっと一般人とは比にならない筈です。
オリンピックに出場することよりも日本が危ないと思えば来日しないと思います。

どこで誰から感染したという決定的なエヴィデンスがない限り、
休業や時短要請、人の自由を奪うようなことは基本的にできないのですから、
緊急事態宣言はあくまで「お願い」で無茶振りの「落とし所」の一つだと思います。
人はそれぞれの事情の中で生きているわけで、他人に強制されるものではありません。





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最終更新日  2021.05.12 02:22:40
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