型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.04.05
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カテゴリ: おかしいでしょ!

マイノリティの存在を認め差別化しないことには何の異論はありません。
ただ本来の平等を乗り越えて極端に取り沙汰されることが多いと感じています。
例えばジャンルを乗り越えて音楽をクロスオーバーさせることは、
それぞれのジャンルが活かされている必要があります。

音楽では、例えばクラシックを単にポップスにしてみたというだけではなく、

変えられてもクラシックのオリジナルの素晴らしさが残っていてほしいです。
もとの意味や良さを知らなかったり活かさずして自分流に変えただけでは、
オリジナルの作曲者の意思を無視していると言えます。

クラシックはひと昔前に比べるとVTRのBGMなどでも頻繁に聴かれるようになりました。
それだけ多くの人に知られる曲が増えたと思いますが、
決まってポップス化されたり、微妙に変えられ酷似している別の曲にされたり、
元の曲のタイトルや内容とは関係なくBGMとして使われています。

今の時代は自由だ、もしくは多様化だと言うのかもしれません。
しかし、それは日本の文化を紹介するVTRに韓国や中国の民謡をつけるのと同じです。
ひと昔前の海外では事実日本のものが他のアジアものとよく取り違えられていました。
欧米の人にとって違和感がないとしても、わかる人はナンセンスだと感じるはずです。

ただ、今は日本の音楽の付け方が欧米人からすればおかしいと感じるはずです。
クラシックであっても自国の作曲家の作品であれば、なぜそんなところで?
と、映像と音楽の違和感を感じるのは必然です。
そして、海外で感じる文化の違和感と同様に、日本人への違和感にもなりえます。

テレビ朝日「題名のない音楽会」は前世紀までは硬派なクラシック番組でしたが、
取り上げている音楽はもはやジャンルレスで、演奏者がクラシック系なだけです。
しかし、番組の紹介ではクラシック系音楽番組とされ辛うじて「系」が付いています。
これも海外の人が観たならば、クラシックの番組だと認識しない気がします。

また、クラシック演奏家がポップスを演奏することでステイタスとするのは疑問です。
プロならば本来得意分野ではない曲を演奏するよりも、餅屋は餅屋がやるべきです。
海外の一流レストランにいたシェフが、ファストフードを作っているようなことです。
これがNGだとは言いませんが、単に売れるためだと言うのであれば反対します。

テレビ朝日「報道ステーション(月〜金)」のオープニング曲(坂東裕大作曲) ​は、
このところのテレビで聴く音楽としては抜群のクオリティを誇っていると思います。
それに比して​ 「サタデーステーション」のオープニング曲(緑黄色社会) ​は、
オリジナルとは反して、なぜ合わないヴァイオリンのアレンジにしたのか疑問です。

多様化はそれまでアカデミックに裏付けられてきたことには関係なく変えること、
これまでの伝統、風情、秩序、蓄えられた知恵などが失われることでもあります。
本来はその時代に起こした業績が研究家によって価値を認められ変遷となりました。
大衆の人気が文化の価値を決めていくべきではないと思います。

世の中において優れた才能が埋もれているのは若者ではなくむしろ熟達者です。
消費社会が発達したことで文化、こと音楽も消費されるようになりました。
常に目新しいものを作り短期間で回していくことが大きな利益を生む方法とされ、
時間をかけた凝った専門性の高いもの、名作を生むことはもはや必要とされません。

これは演奏も顕著で、1回の演奏に精魂打ち込み名演を残そうとする考えは減り、
短期間で数多くこなすことに力が入っていると考えます。
コンクールやオーディションに時間はかけるものの個性を競うものではなく、
賞を勝ち取るためであることは、もはや聴衆ではなく奏者そのものを向いています。

自分の人生の一面として、熱烈なクラシック音楽ファンだったことがあります。
好きであった音楽や演奏、個性的な表現が、ある時から途絶えてしまい、
クラシック由来の音楽や演奏が殆ど聴かれなくなっていきました。
昔ながらのファンは音楽芸術への喪失感を感じているのではないでしょうか。






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最終更新日  2022.04.05 00:26:11
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