型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2023.03.30
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カテゴリ: 評論について思う
「レコード芸術」誌が7月からの休刊を発表しました。
中学から大学に入ってから暫くまで毎月読んでいました。
レコード評では2人の批評家が講評と推薦かどうかを記します。
2人共が推薦すると特選盤として讃えられます。

特選盤を毎月チェックして好き嫌いに関わらず記録し、
次に買いたいレコードをノートにしていましたが、
特選盤が毎月何枚も出るわけですから買い切れるわけもなく、
買いたいものがどんどん増えていって20歳くらいでやめました。

この時に、演奏をどのように褒め評するかを学びました。

ただ、自分が好きな演奏は推薦されることがほぼなく、
何が足りないのかという疑問と評論家の趣味も知りました。


「レコード芸術」の「レコード」は記録という意味ではなく、
SPやLPレコードの意味でしょうから世の中はCDに変わり、
今やCDも廃れデータを聴いたりレコードが再版される時代となり、
むしろレコード芸術という名前でよく今日まで続いたと思います。

雑誌のレビューをクラシックファンの多くが信用した時代、
特選盤が名演だと信じましたが今は趣味も多様化しました。
若かった頃に推奨された演奏を懐かしがるのは中高年だけで、
今では馴染みのない演奏家やオーケストラのほうが主流です。

結果的には新譜レコードの宣伝情報誌のような意味しかなく、

そこで爆発的にその録音物が売れるかと言うとそれほどでもなく、
海外で定評のある演奏家や団体がそのまま紹介されています。


音楽評論家とは何者なのか?人によって差があり過ぎます。
昔大好きだったレコードジャケットのライナーノートを読み返すと、
わかりにくく拙い文章表現があり参考にならないこともあります。


殆どが楽譜や演奏、制作過程を踏まえたレビューではないため、
情報収集の結果による価値観を言っているわけですから、
一般聴衆が好むかどうかは別だと言えます。
例えば、日本のオーケストラを振りに来日する指揮者は、
レコード芸術誌でよく推薦される指揮者とは限りません。

自分が好きだった指揮者は全く推薦されませんでしたが、
NHK交響楽団ほか日本のオーケストラにはよく来日しました。
ロシアや東欧諸国のオーケストラは個人主義的なプレーが目立ち、
協調性の意味で好感されませんでしたがファンは多い筈です。

結果として、整然とした演奏が高く評価されますが、
それだけであればAIでも評価・評論できると思います。
クラシックの演奏もカラオケのように採点できてしまいます。
芸術的な視点がどこにあるのか再度考えるべき時なのです。


音楽に限らず伝統的に積み上げられてきた美学が危うい時代です。
メディアで演出家や放送作家がゲストとして話す機会を見ますが、
気持ちだけで何を話しているのか視聴者に伝わらないことが多いです。
専門家なのですから、自分に対する演出や台本も考えるべきです。

最近作曲家が自作の解説でどんな気持ちを表現したかを言いますが、
実はその気持ちをどのように音に置き換えたのかという解説が必要で、
一般にイメージを限定して曲を聴くことはなく聴き手の自由なのです。
音自体の説明ができない作曲家は本物ではないと思います。





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最終更新日  2023.04.16 20:50:57 コメントを書く
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