型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2023.04.28
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カテゴリ: 作曲家
プロ・アマチュアを含めて自分が若い頃に比べると、
オーケストラは当たり前ですが随分増えました。
SNSを見ていて新しく知るオーケストラが続々と現れ、
一見では活動状況を推し量ることが難しいです。

SNS特有の文章表現や若者志向の文言が多いと信憑性が薄れ、
書かれている内容とは別の意図が感じられたりします。
そんな中で、演奏会告知と楽器人員募集がもっとも多く、
人員を揃えることに苦心しているのがわかります。
(吹奏楽団の場合は編成に関係なく妥協が目立ちます)


演奏会日時は来年の1月で、会場も決まっており、
曲目は北欧系の珍しい選曲で多くの奏者は初めての演奏になり、
企画中心の運営だということがよくわかります。

楽団名が同じでも日によってメンバーがまるで違うことは、
プロ・アマチュア問わず昔からよくあることですが、
クオリティを問うには技術のある何事にも確実性の高い人、
やりやすさを問うには若くて協調性の高い人が増えると思います。
珍しい選曲だと譜読みに時間が必要ですから若者が向いていて、
有名でよく演奏される曲目だとベテランが多くなるでしょう。

所謂現代音楽は譜読みや演奏が大変な割に演奏効果があがらない、
間違ってもわからないとの理由から演奏したい人が少ないです。

国や自治体、企業の予算が充てられた時に現代音楽が選曲されます。

NHK-FM「現代の音楽」で西村朗氏が伊福部昭氏の言葉を引用、
「日本は欧州の現代音楽を常に10分遅れでなぞっている」
そのとおりで、これまで日本独自の新しさを唱えても認知されず、
欧州の作品から採り入れられたことが評価されてきました。


作曲の話をする時にはその名や功績を引用するのが慣習で、
自分の作風を同化させることによってステータスを主張しましたが、
近年は欧州のコンクールに入賞することがそれと同様になりました。


12音技法からトータルセリエリズムから派生した作風は、
所謂現代音楽ですが歴史的な意義を除いて自ら演奏する人は珍しく、
特に一般聴衆を対象とした演奏会ではプロでも取り上げません。
そのような難解や実験的な作風の選曲を避けるために催されたのが、
4人の指揮者によるニュークラシックプロジェクト ​だと認識します。

今回の4人の入賞者は予想どおり全体に若くそれぞれ作風は異なり、
解説を読んだ限りでは独自の語法や主義は感じられません。
これらの曲が今後何度も演奏されたとして拡散するかは不明ですが、
現代音楽に変わる新たな潮流を発信することは成功する気がします。

クラシック由来ではなく数学的な現代音楽が主流であった流れを、
再度クラシック由来の系譜に繋ぐ改革のようなことです。
ただ、1950年代以降の日本作品を再評価している別派もあり、
柔軟なニュークラシックはポップス化を進める可能性が高いです。

これまでの流れを変えるのは若い世代であることに変わりなく、
忸怩たる思いがありますが、ポストモダンは新しくなるのではなく、
過去の音楽を再構成だけのものになるのか分岐点に掛かっています。
自分にとってもより自由な表現が可能になることは歓迎です。





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最終更新日  2023.05.02 12:24:07
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