「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

05日 ロナルド・ゾルマン&東フィル定期


東京フィルハーモニー交響楽団第758回定期
青木高志(コンサートマスター)


1・ルーセル
   バレエ組曲「蜘蛛の饗宴」作品17


2・ダンディ
   交響曲第1番「フランス山人の歌による交響曲」
     横山幸雄(ピアノ)


************** intermission ***************

3・フランク
   交響曲ニ短調


 2008.9.5.19:00 サントリーホール 2-C8列


 若杉 弘の病気のため代役として登場の指揮者ロナルド・ゾルマン
さん、恐らく日本初登場ではなかろうか。

ベルギー生まれ、パリでマルケヴィチ、ブーランジュに師事とのこと。

小柄な身体に大胆にもエンジ色のシャツが指揮するたびに上着の
袖から覗くのが不思議な光景だ。年齢は50代から60代前半か、
プログラム冊子にも詳細は記していない。

さて本日のプログラムはフランス物ではあるが きちんとした系譜を
なぞらえていて フランク→ダンディ→ルーセルと師匠→弟子の関係
というわけ。ルーセルはフランクから見ると孫弟子にあたる。

さてゾルマンさんの指揮だがやはりベルギー生まれの名指揮者
アンドレ・クリュイタンスを彷彿とさせるような見事な音楽作りで
東フィルも今まで味わったことのない精緻なアンサンブルで特に
弱点多い管楽器も見違えるような音色響きで素晴らしいコンサート
を体験した。

どの曲目も非常にバランスの行き届いた音量で鮮やかな表現であり
特に最後のフランク作品での16型4管編成にオケを増強しながらも
精緻なアンサンブルが保たれ クライマックスでは爆発しながらも
見事にキレのある着地、エンディングで曲を終了、聴衆からの
盛大なBRAVO!或いは温かい拍手が続いた。

世界には未だ凄い指揮者が居るもんだと感心した次第。
東フィルさん、ゾルマン氏を是非また呼んでください。

ダンディ作品にピアノで登場の横山さん、何と贅沢でしょう。
オケ付きのピアニストでも充分務まるパートだと思うのですが。

いずれにしろ若杉さんのキャンセルでそれほど期待しないで出かけた
この日の演奏会でしたが おつりがくる位の素晴らしいコンサートでした。

3曲とも指揮者交替による曲目の変更はなしで ゾルマンさんに白羽の矢
を立てたのは案外想定のことだったのでしょうか、この日の成功を確信して。
★★★★★

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