「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

20日 「影のない女」新国立劇場公演


2009/2010 Season Opera
[New Production]
Richard Strauss:Die Frau ohne Schatten

リヒャルト・シュトラウス
   歌劇「影のない女」全3幕
        【ドイツ語上演/字幕付】







(指 揮)
エーリッヒ・ヴェヒター 

(演出・美術・衣裳・照明)
ドニ・クリエフ 




【皇帝】ミヒャエル・バーバ  

【皇后】エミリー・マギー 

【乳母】ジェーン・ヘンシェル 

【霊界の使者】平野 和 

【宮殿の門衛】平井香織 

【鷹の声】大隅智佳子 

【バラク】ラルフ・ルーカス 

【バラクの妻】ステファニー・フリーデ 

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

 2010年5月20日17時開演 新国立劇場オペラパレス 


 ホフマンスタールの台本によるシュトラウスとの傑作オペラだが日本では18年ぶりの
上演とのこと。確かに大変な歌唱を要する登場人物ばかりで本プロダクションでの
顔ぶれを見るとよくもこれだけの実力者を集めたなぁと感心する。

 クリエフの演出はメルヘン調の簡素な舞台装置ながら照明の彩に工夫があり
「影のない女」もR・シュトラウスの管弦楽のみによるインターバルが随所に
織り込まれているのだが、その間を黒子たちが舞台セットを移動させたり
或いはセットを逆に裏返したりと観客に見飽きさせない工夫も感じ取れた。

 5人の重要な人物たち、まずは女性歌手3人、フリーデ(バラクの妻)
マギー(皇后/影のない女)ヘンシェル(乳母)の演技と歌唱がとてつもなく
素晴らしいもので感嘆した。それぞれ性格の違う役割を3人とも見事な声量
とともにアピール、ちなみにメゾのヘンシェルは新国立初登場、フリーデは今から
1年前の「ムツェンスク郡」カテリーナ役での熱演が記憶に新しい。

バーバ(皇帝)ルーカス(バラク)の2人も難役を無難にこなした。

鷹の声の大隅さんはじめ日本人のキャストも大健闘だったし
ヴェヒター指揮の東京交響楽団の大編成によるオーケストラは緻密さにやや欠ける
面はあったがシュトラウスの高度な演奏技術を要する音楽に対して豊饒な響きで
応えていた。素晴らしい公演でありもう一度観て見たいと思わされた。
★★★★★

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