キジシロは私を見て一瞬ひるんだものの、「何だおまえ。エサくれんの?」みたいな顔で、すぐ
に逃げようとはしなかった。
「見たことない仔だなあ」
もう一匹は?と思って階段の下の方を見ると、同じくボブテイルでチャシロの丸々とした仔で、い
つも目にしていた3匹の中にはいなかったけど、だいぶ離れた距離でなら見ていたかもしれない感
じの仔。どちらも見た目に大きな特徴が無い個体で、白い部分はススけて薄汚れていた。
いつもの三匹と比べると特徴が無いので、記憶に残らない個体なのかもしれない。なにせその三
匹のうち二匹がシロネコ、一匹が長毛の三毛猫なので夜目でもかなり目立っていたのだ。だがそ
の三匹も、あのスポンサーの多い人懐こい白猫以外、ここ最近はとんと見かけなくなった。
とにかくあの調子でここで鳴かれたらたまらないので、「うるさいからどっかへおゆき」と、あ
まり脅かさない程度に追い払った。今も公園辺りで鳴いているけど、あれはやっぱり発情だな。
喧嘩の泣き声じゃない。
まだ保護団体に繋がってない猫なのかな。避妊手術をしても発情期のような声で鳴く個体もいる
そうだけど、町に囲いがあるわけじゃないので、保護団体も全部の猫を捕獲するのはなかなか難
しいだろうし。
あ゛―また階段下へ戻ってきた。昔からここら辺は、よく発情した猫が溜まって鳴いていたのよ
ね。栄養面はまず心配なさそうだから、また野良猫が生まれるのかなぁ。小さな子猫はカラスに
捕食される存在。去年は屋上で、くる~りくる~りと住宅街の上空を何度も旋回しながら、地上
のエサを探していたトンビを見たなぁ。
あの愛されシロネコ
なんだけど、ちょっと前から綺麗だった白い毛が、すすけて汚れていた。車
の下に潜るせいなのかな。でも、以前はずーっと真っ白だったのに、ここへ来て急にだからちょ
っと謎なのよね。先ほどの二匹にしてもそうなんだけど、以前野良猫があんな風に白い毛をグレ
イにすすけさせていたのって、記憶にないものだから、本当不思議なのよね。なんなんだろうな?
夕方時々見る、白猫のスポンサーの職人風のおじさんは、自分だけがこの仔にエサをやっている
と、自分だけをそこで待っていてくれると思っているようで、「また来るからな。うん、また来
るよ」なんて話かけている。
白猫は午後から夕方近くなるとどこからか現れて、日の当たるあるマンションの下で寝転んで、
「さあ、いつでもなでなさい」とばかりに、毛づくろいしながら人間のナデナデとエサを待って
いるのだった。気のせいか今年は、冬にしてはさっきの二匹ほどは丸々してなくて、ちょっと気
になっている。
★ Alan Parsons Project - The Turn Of A Friendly Card ★
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