天使の降りた家

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2019.12.24
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カテゴリ: 弦人☆12歳
突然ですが、みなさん『ボッチャ』って知っていますか?

実は私も最近までよく知りませんでした。
パラリンピックの正式種目らしい・・・って程度は知っていましたが
ルールとかどういう条件だとか、詳しくは全く分かっていませんでした。

ボッチャとは

弦人の支援学校でボッチャをする機会があり、そこで何度かやってみて
これは誰もが楽しめるスポーツだなぁと、感じる様になりました。

そこで、副籍交流でも出来ないかと希望していた所
先日の副籍交流でボッチャを取り入れて下さり、



当日は、担任の先生がボッチャの道具を持って来て下さり
正式なボッチャのボールと、弦人が投げる為の勾配具(ランプ)も持って来て
ルール説明として、簡単な動画を見ながら説明をしてくれました。

ボッチャ自体、初めて知る子も多く
ルールやボールの感触など、初めて触れるボッチャにワクワクしている様子でした。

クラスを4チームに分けて、2チームずつ対戦。
白いボールを代表の子が投げ、それぞれ一投ずつ投げて行く。
白いボールに近ければ近い程、勝ち。

ルールは簡単で、だけど頭も技術も必要。
力が強い子、弱い子、運動神経がいい子、悪い子。
色んな子がいるけど、どの子も参加できるし、どの子も活躍できる。



弦人は専用の勾配具を使って、ボールを転がす。
同じチームの子等がやって来て、勾配具の細かい角度調整をし始める。
この角度がいい、いやもうちょっと右だ、左だ・・・

そして、弦人がボールを転がす番。
ゆっくり左手が上がって・・・・なかなか指で押せないけど・・・


手が動いて、ボールが滑り台をスルスル・・・

すると、すごくピンポイントな場所にボールが止まって
ヤッターー!!!すごい!!うわぁ~!!

どっと集まる、みんなのどよめきと歓喜の声。
ここ一番で、相手チームに逆転出来る程の素晴らしい位置にボールを押しやったのだ。

弦ちゃんすっごく嬉しそうな得意そうな表情。
彼の一投がチームを勝利に近づけた。
こんなにクラスの子からすげーー!!と称賛された事は初めてだ。
体の不自由な彼が、初めて肩を並べて一緒にプレー出来た瞬間だった。

私は部屋の端から子供達の様子を見ながら
静かに感動していました。
弦ちゃんすごいな。
こんなに沢山の人に注目されている中で、いつもの手の動きが出来てる。
ボッチャってすごいな。
障害を超えてどんな人でも並んで一緒にプレー出来る。
この競技を考案した人、天才やな!
みんなと一緒に出来て良かったね、弦ちゃん。

その後も、クラスでのボッチャは大いに盛り上がり
弦ちゃんも勾配具を使ってチームの一員として頑張り
その日の副籍交流はみんなが参加出来て、大いに楽しめた交流となりました。


最後に、弦人からクラスのみんなへ挨拶として
「あ~(これで副籍交流を終わります)」というのをして貰った。

これは担任の先生と弦ちゃんが、学校で練習してきたものらしく
クラスのみんながじっと見ている前に立って・・・
ちゃんと声が出せるか・・・

後ろで見ている私も、ハラハラでした。

弦人は、緊張で喉が潰れてしまって
あ・・・・あ・・・・
力は入っているけど、声が出て来ない。

・・・・・


待つ事、どれくらいだろうか。
1~2分?いや、5分位は待っていたかもしれない。
それ位、長く待っていた様な気がした。
弦ちゃんの学校では、声を出すまで待つ事はよくあるが
この6年生の子達にとっては、ものすごく長い時間だったと思う。

その長い待つ時間を、しーーーーんと。
6年生のみんなが、弦ちゃんから声を出すのを、じーーっと待っていてくれた。
一心に耳を傾けて、みんなが弦人に集中していた。

その空気感もまた、弦ちゃんを緊張させてしまうのだけど
彼はその空気の中で、声を出しました。
あ~・・・


力のコントロールが出来ず、
自分の意思を伝えるのにも時間がかかる人がいる。
声を出すだけでも、すごく大変な事なんだ。

でも、こうやってじっくりと待てば出来る事があるんだ。
道具を使えば、一緒にスポーツをする事も出来るんだな。
手足が自由に動かせなくても、一緒に遊ぶと楽しいな。

今回の副籍交流で子供達が何かを感じたとしたら
すごく大きな事だったんじゃないかなと思いました。


一年生から6年間続けて来た、副籍交流。
今では弦人が来るだけで、みんなが挨拶してくれる。
小さい頃から関わっていると、手を差し伸べる事に抵抗感がない子が多い気がする。
自然に自分から車いすを押したり、声を掛けてくれたり。

障がいがある、ない
出来る、出来ない、良い悪い、で線を引く世界ではなく
みんながそのままを認め合える社会に。
お互いに手を差し延べあえる社会に。

少しでも弦人の様な子が伸び伸び暮らせる地域にしたくて
続けてきた副籍交流だけど、やって来て、続けて来て、本当に良かったと思う。
この地域の子達は、優しい気持ちで接してくれる子が多い気がする。

そして私自身も、一年一年成長していく同じ学年の子達から
副籍交流の付き添いをする中で、成長を感じる事も多く
自分の子の様に、6年生の子等が可愛く思えるのね。

これから大きくなっていく子等に
弦人の存在が、楽しい思い出として心に残ってくれたらいいな~と
母ながらに思うのでした。





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Last updated  2019.12.24 19:10:50
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