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January 18, 2006
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カテゴリ: 自作短歌
「ねえさん」と我を呼ぶのを避けてをり 同じ歳なる義理の弟 

バンクーバーの短歌勉強会は、コスモスの長老、鈴木英夫先生に、通信指導をしていただいている。
この一首は、先生の添削で以下のようにしていただいて戻ってきた。


「ねえさん」と我を呼ぶのを避 くるらし 同じ歳なる義理の弟

傍に 「あまり断定しない方が面白い。」 との添え書きもあった。

なるほど、両方を比較してみると、断定してしまわない方が、義弟の気持ちがいろいろに想像できて面白い。
しかも、実際のところ、私が義弟に質問してみたこともなく、私がそう判断しているだけのことであるから、事実から言っても断定しない方がよい。

とはいえ、「おねえさん」と私を呼ばないのは、自分より「姉」の方が一ヶ月くらい若い同い年だから・・・と考えるのは、かなり確実度の高い推定であるから、あるいは断定した私の気持ちを尊重して、推測の助動詞の中でも一番確実性の高い「らし」を使うように、添削してくださったのだと思う。

実は、私は「らし」を使うのに苦手意識があり、ついつい避けてしまっている。

というのも、「らし」を使ったら、かならずどこかに「論拠」が歌いこまれなくてはならないとされているが、根拠らしいものを入れると、とかく理屈っぽくなりそうで怖いのである。(もともと理屈を言いたくなる性格だし)

この歌の場合、その根拠が第四句と第五句 というところだろうが、あまりむき出しでないので、「理屈っぽさ」を免れたのかもしれない。

それにしても、いつまでも「らし」は苦手だと威張ってもいられない。
この際、用例に注意しながら勉強しなくては・・・。

たまたま、鈴木英夫先生の歌集「壁画」をワードに保存してあるので検索をかけてみると、収められている528首の中で「らし」が使ってあるのは、以下の2首だけであった。


みどり子が夜半にいくたび覚めて泣き困(こう)じゐるらし若きその母 (鈴木英夫)

岩の間の深きに水は湧くらしも底ひの水藻絶えずゆらめく(鈴木英夫)


用例の意外に少ない「らし」ではあるが、理屈っぽくならずに、論拠が示されていて良い勉強になる。

明治45年生まれの先生が、私たち19人に毎月、これだけの力を貸してくださるのだから、教えていただく側も、いい加減な気持ちで読み流すわけにはいかない。






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最終更新日  January 19, 2006 11:47:14 PM
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