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February 21, 2006
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カテゴリ: 心に残った短歌
昨日の日記にも書いたが、カナダにコスモスが届くのはあと10日以上先になるので、このブログを見てくださるかもしれない作者の分だけ、ここにUPしておく。

賜りし秀衡塗りの椀ふたつ雑煮を盛りて恩師を偲ぶ

児童らと空地に蕎麦種まきし後玉音放送聴きし職員室に

玉音の語尾はつきりと解せぬまま君の目にうく泪を見たり 
(菅原美知子)


作者は、終戦の頃は宮城県にいらしたはず。「秀衡塗りの椀ふたつ」と「恩師」に触発された思い出を歌われた。




卵白をホイップすればむくむくと泡盛りあがりその浮遊感

焼き上がるケーキの匂ひに目覚めしか昼寝の猫がキッチンに来る

夫在さば婚四十年しみじみとアイスワインのケーキを焼きぬ
(鳴海登志子)


臨場感ある三首。私もケーキの匂いにしみじみとした。



やはらかな大気がふはりと身をつつむ日本の大地に降りたちし時

旅は無理と思ひし心を励まして訪日せしを真によろこぶ

六十年経し北朝鮮の小学校同級会に三十名がつどふ 
 (松山晨子)


昨秋の一時帰国を詠まれた一連。



背開きの鰊をずらり網の上に味醂干しとす寒きガレージに

油濃き鰊と大根おろしにて夕飯はすむあつといふ間に

をととひの鰊につづき今日はまた頂きもののウニの夕食

湯豆腐の土鍋と並ぶウニの皿カナダの冬はいよよ始まる
(粟津三寿)


カナダの日本食は、工夫次第でとても豊かになります。




子らの声山まで届く昼休みぴたり静もる始業のベルに

授業終へ跳ねつつ帰る金曜日塾など知らぬカナダの子らは

初曾孫誕生までにあとひと月母は頑張る全身麻痺で
(奥山和子)


「命」を改めて考えさせられる三首。



還暦の長子ぎつくり腰といふ見上れば初老の白髪目立つ

告知受け三年を堪へし弟が治療に屈し「昨夜逝きぬ」と

年上の姉らを残し古稀の弟順番待たず先立ち逝きぬ 
(金淑子)


「歳月不待人」という言葉を思い出します。



一日中霧が晴れずにぼんやりと点りてをりぬ交差点のライト

庭草を真白く覆ひし今朝の霜冬の気配がひんやり包む

昼暗きベッドルームのカーテンを開ければ激しく雪降りしきる
(田中澄江)


緯度が高いカナダの冬は日が短くて、晴れの日が少ないのです。






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最終更新日  February 21, 2006 09:29:36 AM
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