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August 2, 2006
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カテゴリ: 心に残った短歌
歌誌「コスモス」7月号のその2集より、心に残った作品を抽出。

落ちてても一円拾わぬ今の世に預金の利子を一円もらう(金成敬子*、福島)
利率の低さを詠む作品にはたくさんであっているが、「落ちていても拾わない金額」という発想が面白い。
失礼に当たるのを承知で書けば、作者の苗字が「金成」さんなので、この場合、なんだかペンネームのようにぴったりしたりして。


入院の母に付き添ひそつと寝るスノーボードのごときベッドに(牧好恵、東京)
スノーボードを持ってきた比喩がユニーク。狭くて窮屈な付き添い人用ベッドを、こう表現することによって、余裕が出てくる。
お母さまの邪魔にならないように、作者は、本当に「そつと」ベッドに身を横たえられたのだろう。


フリースを脱ぎすべらせて早緑のセーター一枚われは羽化せり(葵葉子、富山)
7月号の掲載歌の締め切りは、4月末。作者の住む富山に春が来て、その暖かい快さにフリースの上着を脱ぐ開放感。それを「われは羽化せり」と詠む。これも素敵な比喩だと思った。
「早緑(さみどり)」色のセーターも、若々しく、また清々しくて、この状況にふさわしい。
短歌の価値には関係がないけれども、この方の場合も、「葵葉子」さんというお名前が、内容にぴったり。(?!)


日の丸の旗に包(くる)まれ抱き合う王とイチロー〈JAPAN〉は勝ちぬ(橘 偕*、長野)
勝った時の気持ちの高ぶりの具体が上の句に、状況がきっぱりと下の句に述べられて簡潔。
試合後、イチローが「王さんの風格に学びたい」と言っていたのを思い出す。


大好きな本のページをめくるような気持ちで彼を見つめる四月(三浦由紀子* 大分)
好きな人がいたら、見つめるだけでうれしい。(いいなあ・・)
特に四月は、春休みを隔ててちょっと新鮮な気持ちで彼を見る。そこが「大好きな本のページをめくるような気持ち」といわれると、私も思い当たったりして。
そういえば、T.S.Eliotの詩の中に、"April is the most cruel month of the year."というような一節があったっけ。
「四月」サンの名誉回復のために、こんなかわいいお嬢さんがいることを、エリオットさんに聞かせてあげたい。







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最終更新日  August 2, 2006 11:54:29 PM
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