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――だって、今日は兄さんとのデートなのだから。
「ふふふ」
私は移動中のバスの中、空と対比すように続く海岸線を見ながら溢れる喜びに頬が緩みっぱなしです。
兄さんは「気持ち悪い」とか「こわい」というのだけど、こればっかりはどうにもなりません。
「ねえ、兄さん」
「どうした由夢?」
「海が綺麗ですね」
「……ああ、そうだな」
バスの中。隣して座席に座る兄さんは私を見てくれません。せっかく、お洒落だってしてきたのに兄さんは海の方ばかり見ていて、その視界には私は映ってないよう。
だから、ちょっとイライラしちゃうのは女の子だから仕方ないんですよ。
「もう、兄さんはなんでそこで、海よりも由夢の方が綺麗だよ、って言えないかな~」
兄さんの腕をとり抱えました、力一杯抓ることも忘れませんよ。
「痛っ、お前よくも恥ずかしげもなくそんなことが言えるな」
兄さんは怒るというより照れているような反応で私のおでこを小突きました。ちょっとバカップル過ぎる気はしましたけど、
「鈍感な兄さんにはこれくらいがちょうどいいんです」
私が膨れっ面で兄さんを睨んだものだから兄さんは私が怒っていると思ったのでしょう。
「悪かったって、まだ……、その、由夢が彼女っていうのに慣れないんだよ」
「そーなんですか、えへへ、それはいいこと聞きましたね。私は兄さんのモノですからね安心してください」
唇よりやや右頬にそっとキスをした。
「う~わ、恥かしい。おま、やめろよこんな所で、運転手さん見てるだろ」
その声を聞いたのか運転手のおじさんがバックミラー越しに「いやいや」と手を振るのが見えた。ゆったりとしたバスの中には数組の乗客が居たがどこからもクスクスと笑い声や話し声が聞こえていた。
「いいじゃないですか兄さん。私たちはカップルなんですから、えへへ」
「いやー由夢さん。なんかそのデレ顔怖いですよ……」
兄さんが失礼な事を言ったので、バスが揺れるほど大きな張り手の音が響いたのは当然のことですね。
「ううう、由夢ちゃんたら、ななな、なんて大胆なことを――。あ――、由夢ちゃんのえっちぃぃ。そんなのお姉ちゃんだってしたことな――い!」
大胆に座席からはみでた大きなリボンが何事かを騒いでいた。
「あらあら~、なんかもう義之くんたら由夢さんのお尻に敷かれちゃってるねぇ」
「そうね、でもあの二人も大変ね。こんな小姑がいるんだもの」
「もー、杏ちゃんひっどーい」
茜と杏がどこか優しげに、可哀相なものを見るように、後部座席から見守っていた。
「あんまり幸せそうにしてると邪魔したくなるわね。でも、嫉妬してる小恋を虐める方がもっと楽しいと思わない?」
「そうだね~」
杏の提案に頷く茜の手が大人しく居座っていた小恋の胸を揉んでいた。
「残念だねー、せっかくここまで育ったのに義之くん大きいの好きじゃなかったみたいで」
「そうね……、義之はもっと幼女っぽい年下が好みだったのよ」
「あれ~、じゃあ杏ちゃんまだ可能性あるね。狙ってみれば?」
そう言いながら茜は小恋の下乳を揉みしだく。
「もう、恥ずかしいからやめてよ~!」
小恋が叫ぶ。……小声で。
「度胸ないわね」
「ねえ、兄さん。後ろ騒がしいね。お姉ちゃんみたいな声も聞こえたし」
「さすがに音姉だってデートに付いて来るような無粋な真似はしないだろ、子供じゃないんだから」
「そうかな~」
背後でギクッと震えたリボンに私たちは気付かなかったけど、お姉ちゃんが居るような気は薄々感じてました。お姉ちゃんも付いて来たがってたから、ちょっと、罪悪感もあったりですけど。
でも、そんなことはもうどうでもいいの。
だって、もう私の世界には兄さんしかいないのですから。えへへ。
皆を乗せたバスはビーチを見渡す所まで来ていた。私と兄さんは背後で生暖かい瞳で見守られていたとは露知らず、二人、のどかなデートを楽しんでいる。
そう、海はもうそこにあるのだから。
Fin.
抱き枕速報!!その2 2012/11/06
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渚を寝取ってみた 2009/12/11
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