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2019年にNHKで放送されたドラマ『トクサツガガガ』。
気がつけば、一気見するのもこれで3度目くらいになるでしょうか。
放送当時から強く惹かれた作品ですが、68歳になった今あらためて見直しても、まったく色あせることがありません。むしろ心に響く場面が増えているように感じます。
NHKオンデマンドの紹介によると、このドラマの主人公は商社勤めのOL・仲村叶(かの)。
特撮ヒーローをこよなく愛する「隠れオタク」であることを、母親にも職場の同僚にも秘密にしながら、日々の生活で直面するさまざまなピンチに向き合っています。
窮地に追い込まれると、彼女の脳内には特撮ヒーローたちが現れ、アドバイスをくれたり、勇気をもたせてくれたりする。
そんな「あるある!」な悩みや葛藤を、ユーモアを交えて描いたコメディドラマです。
誰の心の中にも、程度の差はあれ「ちょっとオタクな自分」がいる。
この作品は、その部分をやさしく肯定してくれる物語だと思います。
画面を見ながら「そうそう」「あるある」とうなずいてしまうのは、きっとそのせいでしょう。

昭和32年生まれの私も、振り返ればずっと何かしらの「オタク的なもの」に支えられて生きてきました。
マンガ、映画、黎明期からのパソコン、カメラ。
このブログにもまとめてきたフェルメールの追っかけなど、思い返せば夢中になってきた対象には事欠きません。
不思議なもので、10代の頃に胸を熱くしたものは、68歳になった今も、どこかで変わらず心の奥に居座っています。
人の「好き」という感情は、姿かたちは変わっても、根っこの部分はあまり変わらないのかもしれません。
主人公・仲村叶を見ていると、そのことをあらためて実感します。
私自身、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(悪性リンパ腫)の治療を経て、現在は完全寛解。
その治療の過程で脊髄損傷を負い、下肢麻痺となり、今は車椅子での生活を送っています。
病気も障害も、人生にとっては大きな出来事でしたが、それでも、いや、だからこそ、「これからの人生をどう楽しむか」という視点がより大切になってきました。
『トクサツガガガ』は、そんな私にとって 「これからの人生を楽しむ指針」をそっと示してくれるドラマの一つです。
仲村叶が抱える「生きにくさ」は、病気や障害とは別の種類のものですが、
誰にも言えないモヤモヤを抱えながらも、好きなものの力を借りて少しずつ前に進んでいく姿は、私の今の生活ともどこか重なります。
ドラマ版『トクサツガガガ』は、放送当時からSNSを中心に大きな反響を呼びました。
「オタクあるあるが刺さりすぎる」「自分のことを描かれているみたいで泣いた」「NHKがここまでやるとは思わなかった」など、好意的な感想が多数寄せられました。
原作マンガの人気に加え、実写ドラマとしても「隠れオタクのリアル」を丁寧に描いた点が高く評価され、深夜ドラマながら “知る人ぞ知る名作”として今も語り継がれている作品です。
特撮ヒーローものへの愛情あふれるパロディ表現だけでなく、
母親との関係性や、職場での立場、友人との距離感など、日常のなかのささやかな痛みや喜びが、決して大げさではなく、それでいて心にじんわり染み込むように描かれています。
そこに、このドラマの大きな魅力があるように思います。
主人公・仲村叶を演じたのは、俳優の小芝風花さん。
この作品で、小芝さんの演技力にあらためて注目したという視聴者も多かったのではないでしょうか。
コメディ特有のテンポの良さや、表情豊かなリアクションはもちろんのこと、
ふとした瞬間に見せるさみしさや戸惑い、うれしさを抑えきれない笑顔など、細やかな感情の揺れがとても自然に伝わってきます。
「好きなものを好きだと言えない自分」と、「本当は思いきり楽しみたい自分」の間で揺れる仲村叶の心情を、小芝さんは実に丁寧に演じていました。
『トクサツガガガ』は、小芝風花さんにとっても代表作の一つと言っていいかもしれません。
その後、朝ドラやさまざまなドラマ・映画で活躍の場を広げていきますが、「小芝風花=仲村叶」というイメージを持つ視聴者も今なお少なくないように思います。
私がなぜ、このドラマを何度も一気見してしまうのか。
理由はとてもシンプルです。
「好きなものがある人生は、やっぱり強い」
そのことを、見るたびに静かに思い出させてくれる作品だからです。
病気も障害も、人生の途中で出会った大きな出来事でした。
それでも、いや、だからこそ、これからも
マンガや映画、パソコン、カメラ、フェルメール、そしてテレビドラマ——。
そういった「好きでいられるもの」を大切にしながら生きていきたいと思います。
『トクサツガガガ』は、そんな私にとって、これからの人生を楽しむうえでの“心のヒーロー”のような存在です。
68歳のテレビっ子は、これからもきっと、何度でもこのドラマを見返すことでしょう。
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